「六ヶ所再処理問題を考える」シンポジウムで
六ヶ所再処理工場の試験運転の中止を求めるアピールを発表
 ピースボートは2月24日、原水爆禁止日本協議会(原水協)や日本被団協などと、「六ヶ所再処理問題を考える」というシンポジウムを開催。ここで、六ヶ所再処理工場の試験運転停止を求めるアピールを発表しました。
2.24シンポジウムアピール・六ヶ所再処理工場の試験運転の中止を求めます

 青森県六ヶ所村の再処理工場の操業開始に向けた総合最終試験運転(アクティブ試験)が目前に迫っています。

 商業用再処理工場の操業は、安全性が十分に確認されておらず、経済効率の観点からも大きな疑問の声が上げられています。使用済み核燃料の再処理は、海外の多くの国ぐにで見直しや中止の流れにあります。

 さらに、使用済み核燃料を再処理し抽出されたプルトニウムは、核兵器の原料ともなります。最大処理能力800トンU/年の六ヶ所再処理工場から抽出されるプルトニウムの量は、年間で長崎型原爆約1000発分と言われています。六ヶ所再処理工場の稼働が始まれば、日本が非核保有国で初めて本格的なプルトニウムの商業生産を開始することにもなります。

 イランや北朝鮮の核開発問題にみられるように、核兵器の拡散が世界的な緊急の関心事となっています。そうした中で日本が今再処理を開始することは、核拡散の動きを助長する恐れがあります。六ヶ所再処理工場のアクティブ試験とその後に続く本格操業に対して多くの批判が内外からあがっており、世界中から日本政府に対して懐疑の目が向けられています。

 被爆国・日本は、本来、核兵器廃絶に向けて世界をリードする立場にある国です。六ヶ所再処理工場の稼働は、それに逆行するものでしかありません。私たちは、核兵器廃絶と世界の平和を願う立場から、目前に迫った六ヶ所再処理工場のアクティブ試験を中止することを求めます。そして、再処理計画を一旦停止し、使用済み燃料の全量再処理・プルトニウム利用という現在の核燃料サイクル路線の抜本的見直しを図ることを求めます。同時に私たちは、核兵器廃絶と平和、安全の問題を憂慮する多くの市民に対して、この緊急課題に目を向け、学習・討論・行動を開始することを呼びかけます。

2006年2月24日

六ヶ所再処理問題を考えるシンポジウム

呼びかけ人:
青柳長紀(元日本原子力研究所研究員)
川崎 哲(ピースボート)
渋谷 隆(日本青年団協議会事務局長)
杉森長子(婦人国際平和自由連盟<WILPF>日本支部会長)
高草木博(原水爆禁止日本協議会事務局長)
田中熙巳(日本被団協事務局長)
野口邦和(日本大学歯学部・放射線防護学)
このリリースに関するお問い合わせは...
ピースボート事務局(担当:川崎、安原)
(Tel:03-3363-7561/Fax:03-3363-7562/ウェブサイトからのお問い合せはこちら)
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