PEACEBOAT PRESS CLUB


●NO.205 2月15日号
先週のピースボート
ピースボート地雷廃絶キャンペーン、カンボジアへの「地雷検証ツアー」を実施
 2月20日から27日、ピースボート地雷廃絶キャンペーン・P-MACのスタッフを中心に11名がカンボジアへ。地雷原に囲まれた小学校や、現地の地雷撤去機関などを訪れる。
 P-MACは98年から活動を始め、カンボジアやアフガニスタンへの地雷撤去支援を行っている。カンボジアでは、地雷撤去を行う国家機関・CMAC(カンボジア地雷行動センター)と協同しこれまでに、2つの小学校と保健所の地雷撤去を行った。
 今回の訪問では、これまでP-MACの基金で建設された小学校や、未だ地雷撤去の進んでいない「地雷原」を視察するとともに、CMACが行う地雷撤去の現場や、地雷被害者への義足提供支援を行うNGOなどへの訪問も予定している。
 帰国後は、ピースボートセンターにて報告会を行う予定。

コスタリカからゲストを招きイベントを開催
 2月27日、コスタリカからゲストを招いてのイベント「イラク戦争支持は憲法違反!ブッシュに挑んだ大学生」を行う。
 コスタリカは「軍隊の非保持」を謳った「平和憲法」を持つ国。しかし、英米による「イラク戦争」が始まった当時、コスタリカは米国への支持を表明。これに対し、コスタリカの大学生、ロベルト・サモラくんが「イラク戦争の支持は憲法違反である」との訴訟を起こした。裁判は昨年9月に結審、コスタリカ最高裁はサモラくんの主張を認める判決を下した。
 このロベルト・サモラくんが今月来日。ジャーナリストの伊藤千尋氏、映画監督の早乙女愛氏らと共にイベントを開催、コスタリカと同様の平和憲法を持つ日本が、国際社会に対して果たすべき役割などを考える。
 詳細はhttp://www.peaceboat.org/info/event/0227.shtmlに掲載されている。

「イラク戦争支持は憲法違反! ブッシュに挑んだ大学生」
日時:2月27日(日)18:30〜20:30(18:00開場)
場所:文京区民センター 2Fホール/参加費:500円
メインスピーカー:ロベルト・サモラ
コーディネーター:伊藤千尋(ジャーナリスト)
パネリスト:岩田忠士(一橋大学、PARMAN)、早乙女愛(映画監督)、須黒奈緒(WORLD PEACE NOW)、田部知江子(弁護士) ※順不同・敬称略

京都議定書の発効を記念するイベントにピースボートが参加
 2月16日、地球温暖化を止めるための国際的枠組みである、京都議定書の発効を記念するイベントが京都国際会館で行われ、これにピースボートスタッフ小野寺愛(27)をはじめとする、先日帰港した47回クルーズ参加者ら約30名が参加する。
 京都議定書は、97年に京都で行われた国際会議「国連機構変動枠組み条約・第3回締約国会議(COP3)」で採択されたもので、地球温暖化の原因となる温室効果ガスなどの排出量の削減を締約国に義務づけている。議定書は、55ヶ国以上の締約と、「削減目標を持つ締約国」の二酸化炭素排出量の合計が全世界の55%以上となることが発効の条件。日本は2002年5月に締約したが、米国・オーストラリア・ロシア・サウジアラビアなど、世界の二酸化炭素排出量の多くを占める国が締約せず、議定書は発効されずにいた。しかし、昨年9月にロシアが締約を発表したことで、議定書の発効が決定。今年2月16日がその発行の日となる。
 イベントは、COP3が開催されたのと同じ、国立京都国際会館で行われ、ノーベル平和賞受賞者のワンガリ・マータイ氏、小池百合子環境大臣らも参加する。
 ピースボートは昨月31日に帰港した47回クルーズを通じて、昨年12月の「国連気候変動枠組み条約・第10回締約国会議(COP10)」に参加。クルーズ参加者・約70名が、クルーズで通ったパタゴニアフィヨルドが温暖化の影響で溶け出し、近隣の島々が沈んでいく様子を劇にして発表。竹で作った船を用いて、ひとりひとりの小さな力がやがて世界を動かす、という意を込めて「6.5 billion drops of water can make oceans of change.(65億の「しずく」は海をも動かす)」というメッセージを届けた。
 2月16日の京都国際会館でのイベントでも、この竹の船を使って温暖化防止へのアピールを行う。また、16日17時から会場で行われるNGO集会では、小野寺愛が47回クルーズの報告を交えてピースボートの取り組みなどを発表する予定。

今後のピースボート
スリランカからスタッフが帰国――スリランカ緊急支援キャンペーン
 昨年12月末に起きたスマトラ島沖地震により被害を受けた、スリランカへの緊急支援キャンペーンの一環として、現地を訪れていたボランティアスタッフ・平井俊介(23)、山海尚子(19)が12日に帰国。ピースボートセンターとうきょうにて帰国報告会を行った。
 二人が訪れていたのはスリランカ南部のゴール県ハンバンダドゥア地区。ここは、地震後の大津波により、飲料水を汲み上げていた井戸に海水が流入。安全な飲料水の確保が大きな課題となっていた。ピースボートは今年1月に派遣した視察団のこの報告から、ハンバンダドゥア地区に浄水器を贈るキャンペーンを展開。約1ヶ月間、街頭募金などを通じて集めた基金から20台の浄水器を購入し、現地NGO「セワランカ」に届けた。
 現地を訪れた平井、山海からの報告では、現地には各国政府やNGOから寄せられた支援物資が多く届いているが、一部地区ではその仕分け作業などが進まず、物資が倉庫に納められたままになっているという。
 ピースボートが届けた浄水器も、短い時間の中で20台全てを設置することはできず、まずは2台をマータラ地区のキャンプにセワランカのスタッフと共に設置した。残る18台の設置および、今後の浄水器の運営はセワランカが引き継いで進めていく。
 今後は、現地と連絡を取り合いながら、長期的な支援を行っていく予定。

圧力をかけないアナタが好き――衆議院議員・安部晋三氏に「抗議チョコ」を
 2月14日、ピースボートボランティアスタッフら約10名が、衆議院議員・安部晋三氏宛の「抗議チョコレート」を持って衆議院第二議員会館を訪れた。
 安部晋三氏は、NHKが放映予定だった番組に対し「公平中立な内容がふさわしい」などと発言、メディアへの介入を自ら認めた形となっている。これに対し、ピースボートは66枚の板チョコから直径80センチ、重さ6kgのハート形チョコレートを作り、「圧力をかけないアナタが好き」とのメッセージを添えて贈った。
 このキャンペーンは毎年同時期に行っているもので、昨年は石破茂防衛庁長官(当時)宛に、自衛隊のイラク派遣に反対する「自衛隊送らないアナタが好き」というものを。一昨年は石原慎太郎東京都知事が週刊誌上で行った「ババァ発言」に対し「素直に謝るアナタが好き」というメッセージと共にチョコレートを贈った。
 当日は議員会館前で、メディアへの介入に反対する抗議の意を伝え、チョコレートを安部晋三事務所の職員に手渡した。

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