"米国政府の復興支援は行き届いていない"
ハリケーン「カトリーナ」アメリカ南東部・被災地を
視察したスタッフが緊急報告会

 8月末、アメリカ南東部を襲った大型ハリケーン「カトリーナ」による被害への救援、復旧活動を行うため、私たちピースボートは、ルイジアナ州ニューオリンズ、ミシシッピー州ビロクシーなどにスタッフを派遣し、その状況調査に当たりました。その結果、ハリケーンの直撃から3週間たったにもかかわらず、街の瓦礫撤去や復興作業は全く進んでおらず、必要な道具はおろか、基本的な生活用品さえ行き渡っていない状況が各地で続いていることが分かりました。

 現在、米国政府やメディアは、「ニューオリンズなどの被災地域からの避難は完了した」と発表しています。しかし、避難所とよばれる場所は、実際に被災した現場からは、遥か遠い地域に建設されています。貧困層が多いこの地域では、避難所に世話になるということは、これまで生活していた土地を離れ、支えあって生活してきた暮らし、コミニティを捨てることを意味します。一方で、生まれ育った地域に留まる選択をした被災者には、医薬品、衣料品はおろか、基本的な生活用品が行き渡っていないのが現状です。

 一部日本のNGOなどには、被災地域からの避難完了を受け、「現地にNGOのニーズはない」等の理由から、すでに救援活動を打ち切っている団体もありますが、私たちは阪神淡路大震災の経験などから、復興支援は単に食べるものと、住居があれば良いのではなく、被災した地域の住民が、自分たちの力で、コミュニティの回復を行っていくことが必要だと学びました。

 そこで、私たちピースボートは、避難するにもお金がなく、自分が住んでいたところを復興させ、戻り再び元の生活を取り戻そうとしている、ミシシッピ州ビロクシー市に留まる被災者へ、最低限必要な生活物資を直接届ける活動を続けることにしました。ビロクシー市は、米ミシシッピ州の湾岸地域にある人口5万人の都市。90年代にカジノの名所として急成長を遂げたが、今回の災害で甚大な被害を受け、街全体が壊滅状態となった場所です。
下記日程で現地報告会を行います
日時: 2005年9月22日(木)18:30開場/19:00〜
場所: ピースボートセンターとうきょう(JR高田馬場駅・早稲田口・徒歩7分)
報告者:
山本隆
ピースボート共同代表。1995年阪神大震災での現地支援をはじめとし、トルコ地震、台湾震災、新潟県中越地震、スマトラ島沖地震など多くの災害地を直接訪れ、復興支援活動をコーディネートする。今回はヒューストン、ニューオリンズ、ビロクシーの最新状況を映像を交えて報告。
 また、復興支援のための募金も受け付けます。ご協力をお願い致します。
 郵便振替口座:00180-3-177458/加入者名:ピースボート

 ※通信欄に「ハリケーン災害支援」とお書き下さい。
このリリースに関するお問い合わせは...
ピースボート事務局(担当:中原)
(Tel:03-3363-7561/Fax:03-3363-7562/ウェブサイトからのお問い合せはこちら)
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