イラクにて武装グループに拘束された香田証生さんの遺体が発見されたことに関して、私たちピースボートは武装グループに対して強い憤りを感じると共に、ご家族の皆様の胸を引き裂くような慟哭に、言葉を失うばかりです。
私たちは民間人を標的としたこのような残酷な犯人グループの行動に強い憤りを覚えます。しかし、同時に、今回の事件の原因である自衛隊派遣を強行し、大量破壊兵器の存在が虚偽でありイラク戦争が大儀なき戦争であることが明らかとなったにもかかわらず、米国追随の愚を省みず、日本人一青年の命を見捨てた小泉首相に対しても強い怒り覚えます。とくに、今回の事件において人質の解放、人命の尊重よりも自衛隊駐留を優先した責任は重大です。小泉首相は犯人グループとの交渉を行う以前に、自衛隊撤退否定を公言するという人命への配慮を全く欠いた行動を取りました。そして、そのような行動により犯人グループを刺激し、最悪の事態を招いた責任から免れることはできません。
私たちは昨年来続くイラクでの武装グループによる人質事件や外交官殺害、ジャーナリスト殺害事件の主原因が、自衛隊のイラク駐留であり、大儀なきイラク戦争を行う米国への盲従にあると改めて訴えます。これ以上の犠牲を生まないためにも、海外で活躍している日本人の邦人保護に最大限努めるためにも、小泉政権は時限立法イラク特措法の期限である12月14日の自衛隊撤退を即刻宣言すべきです。
イラクでは既に10万人以上の無辜なる市民が犠牲となっています。なんの罪もない女性や子供たちの血がおびただしく流れるイラクの大地に、彼らの命を奪い続ける戦争を支持し、人を殺すための装備を備えて自衛隊を送り込み「人道/復興支援」をいくら唱えてもイラクの市民の支持を得れないことは明白です。
私たちは小泉首相に対し、これ以上悲劇を繰り返さないため、国民の声に耳を傾け、日本市民とイラク市民の命を守るため、12月14日の自衛隊撤退を宣言することを強く求めます。 |