イラクの地元紙Az zaman(アズ・ザマン、5万部発行)に
ピースボートが意見広告を掲載
意見広告
掲載した意見広告(8/18付け・Az zaman)
※クリックすると大きな画像で見られます。
 今年4月に起きたイラク武装グループによる「日本人人質事件」では、無事に人質全員が解放されました。これは、イラク社会、アラブ社会の多くの市民が人質の解放を願い、そして、イスラム聖職者協会をはじめとする多くのイラク市民の協力があったからこそ3名および、その後人質となった2名も無事解放が実現したわけです。

 私たちピースボートでは、これらの解放運動に協力をしてくれた多くのイラクの人々に感謝と敬意を表するために、日本の一般市民から集めた募金を元に、8月18日付けのイラク地元紙 Az zaman (アズ・ザマン・発行部数5万部)に、A4サイズ・カラー版での意見広告を掲載をいたしました。
(写真左下:ピースボートが行った自衛隊即時撤退を求めた「船デモ」、中央:ピースボートがファルージャに送った人道支援物資(内容は毛布)、右下:ピースボートが今春東京都内で行った自衛隊の即時撤退を求めるデモの様子)

 また意見広告では、米国による軍事占領とりわけファルージャ、ナジャフで行われている米軍による国家テロともいえる無差別殺戮に対しても強く非難するという気持ちをイラクの市民と共有し、日本が派遣している自衛隊の即時撤退を要請するメッセージも寄せています。

 現在、イラク社会、アラブ社会において、自衛隊を含む外国軍のほとんどが、憎悪の対象となってしまっている状況を踏まえれば、スペイン、フィリピン、ホンジュラス等に続く自衛隊の即時撤退が、今後、イラク社会、アラブ社会との信頼と友好を維持していく上で必要であると考えます。
ファルージャに送った毛布
ファルージャに送った毛布
 そして、そうした意見を持つ日本人市民の存在を現地に伝えることは、今後、今回のような誘拐事件の発生を防止する上でも有意義と考え、広く日本社会にこの意見広告への賛同を呼びかけ、今回の掲載が実現しました。イラクを取り巻く状況が日々悪化する中、バクダット在住のピースボートスタッフで、ファルージャ総合病院に勤務するドクター・ワカル女史の尽力が今回の掲載を実現させました。

 また、同時に、ピースボートが緊急援助物資としてファルージャ総合病院に送った毛布(ブランケット)も
 無事に到着しました。これは、ピースボートの船でヨルダン・アカバ港で荷降ろしを行い、陸路でバクダット経由でファルージャに送ったものです。今回の意見広告にはその様子も掲載され、日本社会は自衛隊だけではなく、このような緊急人道援助も行っていることをアラビア語で説明を行っています。この先、ファルージャ総合病院からの要請で収集している「破傷風」のワクチン、医療支援も継続して行う予定です。
◆◇掲載した意見広告(下記をアラビア語/英語で掲載)◇◆
1. 私たちは、日本人人質解放を支持してくださったイラク市民の方々、そして強く解放を訴えてくださったイスラム宗教学者の方々、人質のご家族や日本市民の声を伝えてくださったアラブの報道機関の方々に対し、心より感謝の意を表します。
2. 私たちは、ファルージャやナジャフを始めイラクの各地域で犠牲になった方々に対し心から追悼の意を表します。そして今も生命の危機にさらされている全てのイラク市民の方々の安全を心から願います。
3. 私たちは、ファルージャその他の地域での米軍およびその連合軍の民間人殺戮を強く非難します。一日も早くイラクから米軍を含む、外国軍が撤退することを各国政府に強く求めます。
4. 私たちは、日本政府が人道復興支援を理由に派遣している自衛隊の即時撤退も訴えます。そして、武器を持たない日本の市民の人道復興支援活動に積極的に協力するよう日本政府に求めます。
5. 私たちは、爆破事件、誘拐など無辜なイラク市民、外国人市民の命を脅かすあらゆる行為に対して抗議します。そしてパレスチナを含め中東地域においてあらゆる暴力のない平和な世界が実現するよう平和を願うイラク市民の方々そして世界中の市民とともに努力していきます。


このリリースに関するお問い合わせは...
ピースボート事務局・担当:中原
(Tel:03-3363-7561/Fax:03-3363-7562/ウェブサイトからのお問い合せはこちら)
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