PEACEBOAT PRESS CLUB


●NO.163 6月27日号
先週のピースボート
辺野古の海を守ろう――客船トパーズ号による「船デモ」を実施
 6月14日に東京・晴海港を、翌15日に神戸港を出航した第41回ピースボート「地球一周の船旅」は、同17日に沖縄・那覇へ入港。この際、「辺野古の宝ジュゴンを守ろう」などと書かれた大段幕を客船トパーズ号の船腹に掲げての「船デモ」を行った。
 沖縄本島北部の名護市は、現在宜野湾市にある米軍飛行場の県内移転先として、海上ヘリポート建設の準備が進められている場所。しかし、この「移転」は、実質的には新たな米軍基地の建設であるとして、地元住民からも反対の声が上がっている。また、ヘリポートの建設予定地である辺野古は、ジュゴンが住むという美しい海が広がる場所でもあり、その自然環境が破壊されることを指摘する声も多い。
 今回の「船デモ」は、この海上ヘリポート建設への反対をアピールするもので、船内で参加者有志らが段幕を作成した。また、那覇入港日の17日には、「辺野古の海上ヘリポート建設に反対するピースボート声明」を発表するとともに、実際に辺野古を訪れる交流プログラムも実施。ヘリポート建設に反対を訴える現地住民グループと交流し、辺野古の浜にある米軍基地キャンプ・シュワブなども訪れた。

防衛庁がクラスター爆弾所有に関するピースボートからの公開質問状へ回答
 今年4月明らかになった、自衛隊のクラスター爆弾所有問題について、ピースボートは5月、防衛庁へその廃棄を求める申し入れを行い、防衛庁長官宛の公開質問状を提出したが、6月18日、その「回答」が文書で寄せられた。
 「クラスター爆弾の保持は憲法第9条違反ではないか」という質問に対し、防衛庁からの回答は「クラスター爆弾を保有することとしても、我が国の保持する実力の全体が必要最小限度を超えるものではなく、憲法上問題は生じないと考えている」。また、「日本政府が防衛の基本方針としている“専守防衛”にも違反するのではないか」という質問に対しては、「クラスター爆弾は、我が国の領域外において使用することは想定しておらず、我が国防衛のため、敵の着上陸侵攻を阻止するために保有しているものであり、専守防衛の趣旨にかなうものである」と回答するなど、保有に問題はないと主張する内容になっている。
 この「回答」の全文は、http://www.peaceboat.org/info/news/2003/030622.shtmlで公開している。また、今後も、クラスター爆弾の即時廃棄を求め、さらなる申し入れなどを行っていく予定だ。

第43回クルーズで寄港のアルジェリアへ「先遣隊」が出発
 今年秋の第43回ピースボート「地球一周の船旅」で寄港するアルジェリアへ、スタッフの吉岡達也、井上誠、ロア・ノーレスト、井上直が「先遣隊」として出発した。
 アルジェリアは、ピースボートにとって今回が初寄港となる国。長くフランスの植民地支配下にあったあと、1962年に独立を果たしたものの、長く続く内戦などの問題も抱えている。訪問時には、寄港する首都アルジェの旧市街「カスバ」や、ローマの都市遺跡などの世界遺産をめぐるコースのほか、国境を越えてヨーロッパへと向かう移民たちの姿を検証したり、独立戦争当時を知る人々からその体験を聞いたりといった交流プログラムなどを企画している。


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