PEACEBOAT PRESS CLUB


●NO.160 5月20日号
先週のピースボート
クラスター爆弾廃棄を求め防衛庁に申し入れ――銀座でのデモを実施
 今年4月、日本の航空自衛隊がクラスター爆弾を保有していたことが明らかにされたのを受け、ピースボートは5月15日、その即時全面廃棄を求める防衛庁への申し入れを行った。
 湾岸戦争や米軍によるアフガニスタン攻撃、イラク攻撃などの際にも使用されたクラスター爆弾は、不発弾が多く、戦争終了後にも多くの犠牲を出すことなどから、その非人道性が国際的にも非難され、「第二の対人地雷」とも呼ばれている。防衛庁は今年4月、航空自衛隊が1987年からこのクラスター爆弾を購入、現在も保有していることを認め、野党議員の質問に対する答えの中で、「(クラスター爆弾は)対人地雷禁止条約の規制の対象ではなく、使用を禁止するほかの国際法規もない」との考えを示していた。
 ピースボートでは15日、スタッフの中原大弐ら4名が茨城大学名誉教授の荒井信一さんとともに、東京・千代田区の衆議院会館内にて防衛庁幹部らと面会。石破防衛長官宛の公開質問状(http://www.peaceboat.org/info/news/2003/030512.shtml)を提出した。中原らが「自衛隊がクラスター爆弾を所有していたことは非常な驚きだ。日本政府は対人地雷を全面廃棄しながら、なぜクラスター爆弾の所有を認めるのか。クラスター爆弾は、対人地雷と同じ非人道的兵器だとして、国際赤十字などの国際機関も廃棄を呼びかけている」として、1日も早い全面廃棄を求めると、防衛庁幹部らからは、「クラスター爆弾は専守防衛のための兵器として必要だという理解をしている。また、その所有はいっさいの国際条約に反していないと考える」との回答があった。ピースボートでは今後、ふたたび公開質問状を提出するとともに、再度の防衛庁幹部との面会を求める。
 また、5月17日(土)には、東京・銀座で「クラスター爆弾なんていらない。5.17銀座デモ」を実施。約50名が参加し、クラスター爆弾の子爆弾の模型を掲げて銀座の街並みを歩き、クラスター爆弾の禁止とともに、15日に衆院を通過した有事法制の即時棄却をアピールした。

自転車で日本縦断――「地雷出前教室」が出発
 5月15日、ピースボートのボランティアスタッフ上泰歩(うえ・やすほ)さんが、自転車での日本縦断「地雷出前教室」をスタート、出発地点となる北海道・札幌のテレビ塔下にて記者会見を行った。
 これは、今年春の第40回ピースボート「地球一周の船旅」に参加していた上さんが、旅の途中で訪れたカンボジアで、内戦の「負の遺産」である地雷による被害に苦しむ人たちと出会い、「もっとこの事実を多くの人に伝えたい」と発案、ピースボート地雷廃絶キャンペーンP-MACのサポートで実現したプロジェクト。自転車で約5カ月かけて、北海道から沖縄まで日本列島を縦断し、各地で地雷被害について伝える「出前教室」を開催する。
 上さんは、出発の翌16日には、札幌の私立学校「自由が丘学園」での地雷出前教室を実施。学園に通う生徒たちを前に、地雷の模型やビデオなどを使用して、世界各地の地雷被害やその恐ろしさについて語った。
 現在、ピースボートのホームページで、上さんの「日本縦断」レポートが公開中(http://www.peaceboat.org/project/jirai/yasuho/)。また、今後「地雷出前教室」を開催する場所も募集している。お問い合わせはピースボートセンターとうきょう(担当:上野・中原)へ。

フジモリ元ペルー大統領の帰国を求めるキャンペーンを展開
 ペルー政府による日本政府へのフジモリ元大統領引渡請求が確実になったことを受けて、アムネスティ、ピースボートペルーキャンペーン2001などでつくるネットワーク「フジモリ氏に裁きを!日本ネットワーク」では、フジモリ氏の帰国を改めて求めるキャンペーンを展開している。
 1990年からペルー大統領職にあったフジモリ氏は、人権侵害や不正蓄財などの疑惑追及の声が高まる中、三選目の任期中だった2000年11月、日本滞在中に突然辞任を発表。ペルー国民はその帰国と疑惑に関する釈明を要求し続けている。しかし、フジモリ元大統領はこれを拒否し、日本政府も「フジモリ氏は日本国籍を有する」との説明でその滞在を黙認してきた。ピースボートは、フジモリの辞任発表1カ月後の2001年12月にペルーを訪問したことをきっかけに、「ペルーキャンペーン2001」を立ち上げ、ペルー担当スタッフらが中心となって、「フジモリ氏に裁きを!日本ネットワーク」に加わって活動を行ってきた。
 ネットワークでは今月、ペルーの人権団体代表で弁護士でもあるウガス氏を日本へ招き、東京都内などで講演会を開催。また、4月末にはネットワークのメンバーが現地状況調査のためペルーを訪れており、その報告会なども予定している。今後の活動などについてのお問い合わせはピースボートペルーキャンペーン2001(Tel:03-3363-7561、担当:野平・山本奈美)へ。


今後のピースボート
料理研究家・小林カツ代さんの講演会を開催
 5月24日(土)、東京・豊島区の東京芸術劇場にて、料理研究家・小林カツ代さんによる講演会『私も乗って“見た”ピースボート』が開催される。
 小林さんは、テレビや雑誌など多方面で活躍、その親しみやすい料理や「生活者」としての視点が、男女を問わず幅広い年代からの支持を得ている料理研究家。ピースボートには、昨年はじめて水先案内人として乗船し、洋上でも料理を披露していただいたほか、食や子育てなど、多彩なテーマの講座が人気を呼んだ。
 今回の講座では、その洋上での体験を通じて、小林さんが見た「ピースボート」の姿を語っていただく。なお、要予約のため、参加される方は事前にピースボートセンターとうきょう(03-3362-6307)までお問い合わせを。

『私も乗って“見た”ピースボート〜ピースボートを100倍楽しむ方法』
日時:5月24日(土)18:30開場/19:00開演
会場:東京芸術劇場 5F大会議室(JR池袋駅より徒歩2分)
参加費:500円

ピースボートスタッフが日本YWCA主催のシンポジウムに参加

 5月23日(金)、東京・渋谷区にて、「ピースアクション2003−暴力のない世界をめざして」が開催され、ピースボートスタッフの櫛渕万里がその中で行われるシンポジウムに参加する。
 これは、日本YWCA憲法改悪阻止プロジェクトが主催するイベント。東京大学教授の小森陽一さんによる基調講演「どうなってるのアメリカ? アジアの平和を求めよう!(仮題)」に続き、「グローバルな視点で活躍しているNGOのノウハウを知って、新たな活動計画を考えよう」というテーマでシンポジウムが行われる。櫛渕はこの「発案者」のひとりとして参加、これまでのピースボートでの活動経験について発言する。
 シンポジウム終了後には、「わたしたちのピースアクションを計画しよう」と題したワークショップが企画されているほか、翌24日(土)には、米海軍基地のある神奈川県・横須賀市でのフィールドワークも行われる(別料金)。問い合わせは日本YWCA(Tel:03-3264-0661)へ。

ピースアクション2003
日時:2003年5月23日(金)13:00〜19:00
会場:国立オリンピック記念青少年総合センター センター棟402号室
(小田急線参宮橋駅下車徒歩約7分/地下鉄千代田線代々木公園駅下車徒歩約10分)
参加費:2000円

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