私たちNGOピースボートは、「PEACE PROJECT@TAMA」(略称PPT)を応援します。このプロジェクトは、ピースボートの水先案内人であり、フォトジャーナリストの桃井和馬さんら、有志メンバーが立ち上げたもので、「多摩から世界へ!世界から多摩へ!」を合い言葉に、多摩の有志から集められた基金により、これからの社会に求められる人材を多摩地区から1名選出し、ピースボートの「地球一周
」船旅に派遣しようというものです。
桃井和馬さんらは、「多摩の未来をデザインしよう」という合い言葉のもと、新興住宅地が広がる同地区を中心に声をかけ、現在、この企画に応募する若者を探しています。すでに第一回の説明会を開催しています。桃井さんらは、このプロジェクトによって、多摩から世界に若者が旅立ち、帰国後はその経験を"多摩=地域"に還元することで、将来の街づくりが面白くなるのではと期待しています。また、このプロジェクトに賛同している人、そのほとんどが、第一線で働いている人ばかりというのも特徴であり、仕事の合間を縫ってこのプロジェクトに参加することで、これまでなかった、人と人とのつながりも生まれていると桃井さんは話します。
ピースボートは、'95年の阪神淡路大震災の際、現地で緊急救援活動を行いました。その時に得た教訓は、いかに「都市部」と呼ばれる地域で、「人と人とのつながり」が希薄になっているかということでした。私たちが救援に入った長田区は、本来、人と人のつながりが強かった地区でしたが、仮設住宅の建設によってそのつながりは一端途絶え、その後の街づくりは非常に困難なものとなりました。そのとき、私たちは改めて、「肩を寄せ合って生きる」ことが、その地域を活性化させ、多文化共生を根づかせる基盤となることを学んだのです。
私たちは、このようなPPTの活動が、閉塞しつつある都市環境を変え、将来的な地域の活性化につながると考えています。とくに、中央集権的な考え方が主流をなすいま、大都市・東京は、裾野である多摩が元気になり、変わることで、都心部にも良い影響を与えると考えます。再開発を行い、大商業企業を誘致する手法だけでは、街は廃れていきます。若者に夢を与え、この土地を元気にしたい。いい街にしたいという思いこそ、将来的に持続可能な街つくりにつながるとピースボートは考え、この活動を支持し、応援していきたいと考えています。
|