イラク北部において11月30日、日本の外交官が乗った車が襲撃され、2人の日本人外交官と1人のイラク人運転手が命を落としました。この事態に、私たちは強い衝撃を受けると共に、深い悲しみを禁じ得ません。犠牲になった人々に対して、心より哀悼の意を表するものです。
今回の事件は、イラクにおいて、アメリカ軍中心の軍事占領に対する強い反発があること、そして、各地で戦闘がまさに継続中であるという現実を、改めて私たちの目の前に呈示しました。アメリカは、国際法上何らの正当性ももたない軍事侵攻を行い、その後も暫定占領当局(CPA)を通じた実質的な軍事占領を展開しています。日本政府は、一貫してこうしたアメリカの姿勢を支持してきました。私たちは、このような日本の外交姿勢そのものを根本的に見直すべきときを迎えています。
私たちは、日本政府による自衛隊の派兵に強く反対します。自衛隊の派兵は、アメリカ占領軍に対する側面支援部隊を提供する行為に他なりません。それは、暴力の連鎖の加速を手助けする行為以外の何ものでもありません。イラク復興支援どころか、直接および間接にさらなる犠牲者を生み出すことにつながるものです。軍隊の派兵はまた、国連やNGOによる人道支援活動の中立性をも脅かし、活動に対する妨げともなります。政府は、自衛隊派兵の基本計画の策定を白紙撤回すべきです。
アメリカによる軍事占領がイラクに平和も安定ももたらしていないという事実は、もはや世界中が知るところとなりました。連日犠牲者を生み出し続けるこのような占領体制が、長続きするはずはありません。いま必要とされているのは、イラク人が主体となり、国連がこれを支える形で、イラク復興に向けた別の枠組みを構築することです。戦争の被害調査をはじめ、民衆の生活に直結する復興が必要です。
犠牲を重ね流血を上塗りすることが自明な道を無批判に歩み続けるのは、もう止めにしましょう。私たちは、アメリカ占領軍の即時撤退を求め、日本政府による自衛隊派兵を含む占領軍への一切の支援の中止表明を強く要求するものです。 |