辺野古の海上ヘリポート建設に反対するピースボート声明

 私たちピースボートは「過去の戦争を見つめ、未来の平和をつくる」を合い言葉に、1983年から大型客船をチャーターして、世界各地の人々との国際交流を行ってきました。その中で、世界規模で進行している米軍の軍事基地の拡大を目の当たりにする一方、それに反対の声を挙げる多くの人々との交流を続けてきました。

 勧告では在韓米軍基地の撤廃を求める人々と共に、米軍のミサイル演習場である梅香里に住む、韓国住民の騒音被害の聞き取り調査を行いました。また、中東のパレスチナでは、パレスチナ自治区内に建設されたユダヤ人入植地が米軍の支援によって建設され、そのために多くのパレスチナの土地が奪われ、それに反対する多くの市民が殺されていく現場も訪れてきました。

 そのような、アメリカの武力を使った世界戦略が進行するなか、私たちピースボートは、現在、米軍普天間飛行場の代替施設として新たに建設されようとしている名護市辺野古の海上ヘリポート建設に強く反対します。米軍の強固な軍事体制が作り出す脅威によって生まれる、住民生活への公害、環境破壊がこれ以上拡大しないよう、日本政府は一刻も早くこの建設計画を撤回するべきです。

 そして、私たちは2000万人ものアジアの人名を奪い、300万人の自国民の犠牲者を生んだ、過去の戦争を忘れるべきではありません。辺野古への新たな基地建設が同じ地球市民を殺すために使われることは、今回のイラク戦争を見ても明らかです。また、北朝鮮への経済制裁を含めた武力攻撃が叫ばれるなか、先の国会で成立した有事法制は、アメリカとの軍事同盟を一層強固にするものです。これ以上軍事基地を建設し、日本が軍事化の道を進むことは、東アジアの緊張を高めるばかりでなく、新しい戦争への道を開く行為でもあります。

 私たちは恒久平和を願う地球市民の一人として、これ以上、世界各地に新たな「辺野古」を創らないよう、世界の人々との連帯を強固にすると同時に、この辺野古の軍事基地建設に反対の意を表明します。
2003年6月17日
ピースボート共同代表 中原大弐


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