PEACEBOAT PRESS CLUB


●NO.140 11月19日号
先週のピースボート
カナダ先住民族の権利を考えるセミナーを実施
 11月15日、ピースボートは東京・高田馬場で、『カナダ先住民族「セクウェップムゥ」を招いて』と題したセミナーを開催した。
 現在、カナダ西部のブリティッシュ・コロンビア州のバンクーバー北部で、日本企業によるリゾート拡張開発が進められており、それによって先住民族であるセクウェップムゥの人々の伝統的な生活が破壊されるという問題が起こっている。今回は『「セクウェップムゥ」を招く実行委員会』の招きにより、ブリティッシュ・コロンビア州先住民族組織「内陸同盟」代表のアーサー・マニュエルさん、カナダ先住民族についての調査・研究者であるリー・ロイ・ヨウさんのふたりが来日。この日のセミナーが実現した。
 ふたりは、土地を『不法』占拠した」として逮捕される人が出るなどの当局による妨害の中で、伝統文化を守るために開発に反対して闘っている人々の姿について報告するとともに、日本の人々からの支援を訴えた。ピースボートは1995年以来、4回に渡ってカナダ・バンクーバーに寄港。これまでにも、先住民族の人々との交流プログラムを実施してきている。

フジモリ元ペルー大統領の帰国を求めるイベントを実施
 11月16日、東京・千代田区で、日本に滞在中の元ペルー大統領アルベルト・フジモリ氏の帰国・裁判を求めるイベント「フジモリ氏に裁きを!〜引渡・訴追の実現に向けて〜」が行われた。
 フジモリ元大統領は、日本滞在中だった2000年11月、突然辞任を発表。以後、在任中の人権侵害や不正蓄財などの疑惑に関して、ペルー国民は帰国と説明を要求し続けているが、フジモリ元大統領はこれを拒否、日本政府も「フジモリ氏は日本国籍を有する」との理由でその滞在を黙認してきた。来年にも、ペルー政府による日本政府へのフジモリ元大統領引渡請求が出されることは確実とされている。
 この日のイベントは、これまでもフジモリ元大統領の帰国を訴えてきた、ピースボートを含むNGOの主催によるもの。フジモリ政権下で起こった、バリオスアルトス虐殺事件などの報告、東京大学教授の大串和雄さんによる「フジモリ政権下の人権侵害の歴史」講演などに続き、ピースボートのペルー担当スタッフ・山本奈美も、ピースボートで現地を訪れたときに聞いた地元の人たちの声について報告した。


今後のピースボート
バングラデシュからの難民を迎えての講演会を開催
 11月24日14時より、ピースボート東京事務局にて、バングラデシュからの難民であるチチコ・チャクマさんを迎えての講演会が開催される。
 チチコ・チャクマさんは、バングラデシュの少数民族であるジュマ民族の出身。バングラデシュ南東部のチッタゴン丘陵地帯では、バングラデシュ政府による少数民族に対する厳しい人権弾圧が続いており、国連人種差別撤廃委員会からも勧告が出されている。チャクマさんも弾圧を逃れて数年前に日本に亡命、難民認定を受けた。
 今回は、チッタゴンにおける人権弾圧の現状、そして、ジュマ民族が暮らす土地を犠牲にしてのダム建設工事に向けての資金供与をはじめ、日本政府によるODA(政府開発援助)を通じて、私たちが払う税金が、結果的にバングラデシュ政府による人権弾圧を加速させているという事実についても解説していただく。参加費は無料。お問い合わせはピースボート東京事務局(TEL:03-3363-7561、担当:野平)まで。

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