PEACEBOAT PRESS CLUB


●NO.135 10月9日号
先週のピースボート
来日中のパレスチナ人5名がピースボートスタッフとともに外務省を訪問
 10月4日、ピースボートの招待により来日中だったパレスチナ人5名が、ピースボートスタッフらとともに東京・港区の外務省を訪問、中東一課イスラエル・パレスチナ担当者と会談した。
 ピースボートは、昨月末に韓国・釜山で開かれたアジア競技大会のサッカー予選日本対パレスチナ戦に合わせ、パレスチナのサッカー少年らを招待。ピースボートに乗船した経験を持つ、NGO「パレスチナ・ビジョン」代表のラミ・ナセルディンはじめ5名が釜山で日本対パレスチナ戦を観戦することができた。5人はそのまま日本に残り、この日の外務省訪問となったもの。
 会談では、中東和平に向けての日本政府の積極的な平和介入を求めるとともに、邦人のパレスチナ自治区内入国拒否などが頻発している現状を受けて、イスラエル政府に対し渡航の自由の遵守を要請するよう訴え。さらに、日本のODA(政府開発援助)によって建てられた学校などが、イスラエル軍の空爆で多数破壊されていることから、その補償をイスラエル政府に求めるなどの働きかけをするよう求めた。


今後のピースボート
アルゼンチンから「もうひとつの拉致事件」真相究明を求める声
 朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)による日本人拉致事件発覚以来、アルゼンチン軍政下で行方不明になった日系人の家族グループの間で、「わたしたちの問題にも真相究明を」と訴える声が高まっている。
 アルゼンチンでは、1976年から7年間続いた軍事独裁政権の時代に、多くの人々が反政府の疑いをかけられて殺され、あるいは行方不明となった。今もその消息が不明のままの人も多い。また、その中には19世紀末から20世紀初頭にかけて移住した日系人も含まれているが、再三の家族らからの要求にもかかわらず、日本政府は「彼らはすでに日本人ではないから」という理由で、真相究明に対しほとんど動きを見せていない。ピースボートは1999年から年に1回のペースでアルゼンチンを訪問、日系人を中心とする行方不明者家族らとの交流を続けてきた。
 日朝首脳会談で北朝鮮への日本人拉致の事実が明らかになったことを受け、日系人の行方不明者家族からは、「アルゼンチンの軍政被害もまた『もうひとつの拉致事件』だ」という声が上がっており、ピースボートにも「日本政府がアルゼンチン政府へ真相究明を求めるよう働きかけてほしい」という呼びかけが寄せられている。これを受け、今後ピースボートでは、日本政府へのアピールなどを中心として、アルゼンチン軍政被害の真相究明を訴えるキャンペーンを展開していく予定だ。

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