国後島上陸、島民らとの民間交流を実現
8月27日、現在航行中の第38回「夏休みピースボートの船旅」乗船者530名は、国後島ユージノクリリスク(古釜布)の港に上陸した。
今回の国後島訪問は、ロシア査証を取得しない、ユージノクリリスク市などの特別手続きによるもの。この点では、日ロ政府が進めてきた「ビザなし渡航」とまったく同じ形をとっており、法的にまったく問題がないことも明らかになっている。
しかし日本外務省は、この国後島訪問に対し、「政府間で進めてきた領土交渉を阻害するもの」などと発言。8月24日には、在サハリン日本領事館が、ロシア外務省サハリン代表部とロシア国境警備隊に対し、ピースボート乗船者を国後島へ上陸させないよう「請願」していたことが明らかになった。ピースボートでは、この民間外交への圧力といえる行為に対し抗議を行ったが、外務省側は「政府がとるべき当然の対応だ」などと説明している。
訪問当日は天候にもめぐまれ、27日の現地時間午前9時、オリビア号は国後島沖合に停泊。現地時間正午までに、乗船者全員がはしけを使って国後島に上陸、戦後最大規模の民間団体による国後島訪問実現となった。乗船者は1泊2日の日程で国後島に滞在し、島民との交流のほか、約70名は鈴木宗男元衆議院議員による利権疑惑の象徴的存在となった日ロ友好の家(ムネオハウス)に宿泊した。
今クルーズは、8月30日に東京・晴海港に帰港予定。帰国後は、現地で調査した日本政府による人道支援事業の実態についての報告なども予定している。
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