PEACEBOAT PRESS CLUB


●NO.129 8月28日号
先週のピースボート
国後島上陸、島民らとの民間交流を実現
 8月27日、現在航行中の第38回「夏休みピースボートの船旅」乗船者530名は、国後島ユージノクリリスク(古釜布)の港に上陸した。
 今回の国後島訪問は、ロシア査証を取得しない、ユージノクリリスク市などの特別手続きによるもの。この点では、日ロ政府が進めてきた「ビザなし渡航」とまったく同じ形をとっており、法的にまったく問題がないことも明らかになっている。
 しかし日本外務省は、この国後島訪問に対し、「政府間で進めてきた領土交渉を阻害するもの」などと発言。8月24日には、在サハリン日本領事館が、ロシア外務省サハリン代表部とロシア国境警備隊に対し、ピースボート乗船者を国後島へ上陸させないよう「請願」していたことが明らかになった。ピースボートでは、この民間外交への圧力といえる行為に対し抗議を行ったが、外務省側は「政府がとるべき当然の対応だ」などと説明している。
 訪問当日は天候にもめぐまれ、27日の現地時間午前9時、オリビア号は国後島沖合に停泊。現地時間正午までに、乗船者全員がはしけを使って国後島に上陸、戦後最大規模の民間団体による国後島訪問実現となった。乗船者は1泊2日の日程で国後島に滞在し、島民との交流のほか、約70名は鈴木宗男元衆議院議員による利権疑惑の象徴的存在となった日ロ友好の家(ムネオハウス)に宿泊した。
 今クルーズは、8月30日に東京・晴海港に帰港予定。帰国後は、現地で調査した日本政府による人道支援事業の実態についての報告なども予定している。


今後のピースボート
同時多発テロから1年 紛争地出身の若手ジャーナリストを招きイベントを開催
 8月30日、ピースボートは東京・高田馬場で、「同時多発テロから一年 今メディアに何ができるのか」と題したイベントを開催する。
 これは、9月1日に出航する第39回ピースボート「地球一周の船旅」にも乗船予定の、コロンビア、イスラエルとパレスチナ、インドとパキスタンなど、世界各地の「紛争地」出身の若手ジャーナリスト7名を招いて開催するもの。昨年9月11日のNY同時多発テロ事件から1年を前に、メディアがいま何を伝え、何を伝えきれないでいるのかを、今もなお争いが続く場所で活躍する若者たちの声を通じて探っていく。
 また、テレビ朝日の報道番組「ザ・スクープ」などで知られるジャーナリスト、鳥越俊太郎さんもゲストとして参加。数々の戦場取材を経験してきたジャーナリストのひとりとして、日本のメディアが「9.11以降」をどのように伝えてきたのか、その現状を報告していただく。

同時多発テロから一年 今メディアに何ができるのか
日時:8月30日(金)18:00開場/18:30開演
場所:高田馬場BIG BOX 9Fアルファナイン(高田馬場駅下車徒歩1分)
参加費:1000円(事前予約500円)

第39回ピースボート「地球一周の船旅」が出航
 9月1日、第39回ピースボート「地球一周の船旅」が東京・晴海港から出航する。
 これは、ピースボートにとって17回目となる地球一周クルーズ。翌2日に神戸港に立ち寄ってから、今年12月までの約3カ月、アジア、ヨーロッパ、中米、そしてオセアニアを訪れる、「五大陸をゆく」初航路だ。現在、のべ600名近くが乗船を予定している。
 晴海港出航は1日の正午を予定。港では、乗船者家族など以外の見学も可能だ(予約などは不要)。

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