8月27日、国後島をビザ無しで訪問している、吉岡達也・ピースボート共同代表、河辺一郎愛知大学助教授らがニコライ・オヴチンニコフ・国後島ユジノクリルスク地区長と会談した。河辺助教授によれば会談要旨は以下の通り。
地区長:皆さんの訪問を歓迎する。日本はロシアから海産物などを輸入するのに、なぜ国後、色丹への日本人の旅行を許さないのか。ビザ無し渡航の枠組みに固執する理由が理解できない。ピースボートの渡航方法に感謝する。この渡航方法に他の団体もならうことを期待する。
――これまでの日本の支援は役立っているか。
地区長:助かっており、感謝する。
――かつて、国後島を日本に返還した方がよいと島民が述べたことがあったが、このような発言についてどのように考えるか。
地区長:1994年の地震のために、95〜98年頃は水産加工工場が稼働していなかった。仕事も収入もない中でそのような意見が出たのだろう。
――現在の経済状態はいかがか。
地区長:以前より少し良くなった。しかしロシアには島を発展させるための法的な基盤ができておらず、法整備が重要だ。日本にも同様の状況があると、日本の自治体の首長が言っていたが。
――今回のピースボートの訪問に関して、日本の外務省から働きかけはあったか。
地区長:受け入れるなと要請されたが、私は日本の外務省から給料をもらっているわけではない。もちろん、友好や協力は大いに推進すべきだ。そのための訪問の要請にはいつでも応じる。サハリン州知事も同意見だと思う。 |