外務省「ピースボートを上陸させるな」、
ロシア側への働きかけは政府がとるべき当然の対応と文章発表
自らロシアの実効支配を認める


 8月26日、ピースボート代表3名が、外務省欧州局ロシア課を訪問。課長である上月豊久氏に抗議と申し入れを行って参りました。それに関連して、本日午後に外務省が発表した「ピースボートによる北方四島入域計画」に対してコメントさせていただきます。

1.まず、「ロシア側へのこのような説明は、(中略)政府がとるべき当然の対応であって、NGOに対する圧力といったものではない」という外務省のコメントに関しては、これこそNGOが独自に行っている民間交流への圧力であり、そのことを文章にて認めていると私たちは考えます。

2.私たちピースボートは、当然ながら政府が行っている四島交流を否定するものではなく、政府が行っている「ビザなし交流」へも大きな貢献をしていると考えます。それは、1991年のピースボート北方四島クルーズにて、その後の「ビザなし」交流を進められる中心的オルガナイザーが、ピースボートに乗船して、共に四島を訪れ、ピースボートの交流内容を学び、その後のビザなし交流の成果を作り上げてこられている事実があります。
 私たちは政府が主導で行っているNOビザ渡航と共に、NGO独自の「民間外交」を積極的に進めて、多角的な交流を行っていくことが、この問題の平和的解決につながると考えております。

3.したがって、外務省が政府の方針と違う民間交流に対して、しかも「ロシア側への働きかけ」という裏工作を使ってその行動を妨げるのは、言語道断としかいいようがありません。また、北方領土への日本市民の入域は「法的には全く問題ない」ことは、上月氏自身も認められています。そのような法的根拠がないにもかかわらず、再三にわたって自粛要請を行うとともに、ロシア当局に働きかけ、その公権力を使って、私たちの上陸を妨げるということは、単に違法的行為であるのみならず、「移動の自由という基本的人権の侵犯」といっても言い過ぎではないと考えます。

4.ともかく、外務省が発表したコメントそのもの自体、外務省自身が「北方領土におけるロシアの実効支配」を認める行為であって、この問題の早期解決を求める国民への裏切り的行為だと考えております。また、ロシアの実効支配を認めてまで、我々の入域を認めないということは、結果として外務省自身が関与している、鈴木宗男氏をめぐる問題を、隠蔽していると思われても仕方がないと考えます。

※8月27日の国後島への上陸合否に関しては、明朝わかり次第マスコミ発表させていただきます。早めに必要なマスコミの方は、本日中に連絡をいただければ連絡させていただきます。


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ピースボート東京事務局(Tel:03-3363-7561/ウェブサイトからのお問い合せはこちら)
担当:中原大弐まで
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