イスラエル政府がピースボート参加者の入国を拒否

5月31日午前11時ごろ(日本時間)、イスラエルでの交流プログラムのためにテルアビブ空港に到着したピースボートのメンバー18名がイスラエル入官によって入国を拒否され、強制的に出国させられたと、東京事務局に連絡があった。

現地からの報告によると現在航海中の第37回ピースボート地球一周の船旅に参加していた約600名の中から希望者18名が寄港中のポートサイド(エジプト)で一時的に下船し、空路イスラエルに向かった。ところが、テルアビブ空港において全員が入官職員に拘束され、数時間以内の便で出国することを強制された。メンバーは、訪問の意図がイスラエル人との交流にあることの説明を繰り返したものの、警官らが出動して拘留を示唆されたため、入国を断念し、午後2時(同)に次のピースボートの寄港地であるアテネへ向けて出国したという。

当初、18名は31日から6月3日までの日程で、先に現地入りしていたピースボート・スタッフ吉岡達也ほかイスラエルのNGOメンバーと合流し、イスラエル国内とパレスチナ自治区において若者たちとの交流を予定していた。

ピースボートでは、1994年よりイスラエル、パレスチナの両市民との平和構築のための交流を続け、6度にわたってピースボートの客船そのものも入港してきた。しかし、このような事態になったことはかつて一度もなく、ピースボートとしては日本とイスラエルの若者たちが交流する機会を強制的に奪ったイスラエル政府に対しては強い抗議の意を表し、現地行政機関に対して、事情の説明を公表するよう求めているが、現在のところイスラエル政府はいっさいのコメントを拒否し、入国拒否の理由も明らかにはしていない。また、現地のイスラエル人NGOもそろって政府の高圧的な排除に対して抗議の意を表明している。

なお、交流訪問団の18名および事前に入国していた吉岡の無事は確認されている。

また、ピースボートでは今月21日からはイスラエルから女性の、パレスチナからは男性の若者二名を日本に招いて、『シャローム&サラーム2002』と題した全国キャンペーンを展開していた。

明日、6月1日には東京・八丁堀の労働スクエア東京(八丁堀駅徒歩2分)において、両名に国際政治学者の高橋和夫さんとミュージシャンの寿[kotobuki]さんをゲストとして加えた講演会を予定している(18:45開始)。


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担当:山本隆まで
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