国際交流団体ピースボートでは、10日(木)に拓殖大学で行われる、ペルー元大統領アルベルト・フジモリ氏の講演会「回想 テロリストとの戦い」に対して、96年にペルーで起きた日本大使館公邸占拠事件の際に、127日間に渡って人質としてこの事件に関わり、現在、国際基督教大学講師を務められている、小倉英敬さんを迎えて同日に緊急記者会見と講演会を行います。
テロリズムの問題が国際政治の焦点となっている今、「回想 テロリズムとの戦い」というテーマでフジモリ氏に講演を行うということは、ペルーでの経験を成功例とした内容なのでしょうか。もし、それが本当ならばわれわれはこの講演会の開催に強く抗議をしま
す。
現在、フジモリ氏はペルー国内において、人権侵害の容疑で逮捕状が出ており、少なくとも前大統領として、即刻帰国して国民も前で真相を明らかにする責任があります。日本国籍を取得していることを口実に、フジモリ氏を日本政府が匿っていること、そしてこの講演会を許すということは、日本市民の人権感覚を国際的に問われているとしかいいようがありません。
米国による「テロ撲滅」の名の下に行われている、アフガニスタン空爆では多くの一般市民が犠牲となり問題になっています。強者の論理に基づいて、武力を使ってそのテロリズムを殲滅することは、単なるテロの連鎖を生むだけだと考えております。
いまこのフジモリ氏の講演会を許すということは、強者の論理に基づいた空爆をも認めることになります。ピースボートとしては以上の理由から、フジモリ氏の講演会、そしてフジモリ氏の即時帰国を要請する記者会見、講演会を下記の日時にて行います。よろしくお願いいたします。
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