PEACEBOAT PRESS CLUB


●NO.87 9月4日号
先週のピースボート
第33回ピースボート「地球一周の船旅」が帰港
 8月25日、第33回ピースボート「地球一周の船旅」が、横浜・新港埠頭に帰港した。
 このクルーズは、今年5月、同じ横浜港から出航。アジア、地中海、カリブ中米、北太平洋の21カ国をめぐって、約3ヶ月で地球を一周してきた。6月27日には、緊張高まるイスラエル・パレスチナの港、アシュドッドにも寄港したほか、今年1月に大震災に襲われたエルサルバドルの被災地を訪れるなどのプログラムも実施してきた。
 朝7時半に横浜港に入港したオリビア号は、神戸まで乗船する参加者を乗せ、同日12時に過ぎにふたたび出港。下船したばかりの人々に見送られながら、最後の寄港地となる神戸へ向かった。

第34回ピースボート「南北コリアクルーズ」が出航
 8月27日には、第34回ピースボート「南北コリアクルーズ」が神戸港から出航した。これは、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)と大韓民国(韓国)をともに訪れるクルーズで、日本の市民団体としては、戦後初の南北同時訪問となる。
 現地では、学生交流や農村訪問、南北双方の戦争体験者に話を聞くなどのプログラムのほか、板門店の軍事境界線へも、南北双方からの訪問を予定している。また、在日ミュージシャンの朴保バンド、日本人の父と韓国人の母を持つ歌手の知恵が乗船し、南北コリアでライブを開催することも大きな話題となっている。
出航式には、在日韓国青年連合のソン・ミョンスさん、在日本朝鮮人総連合会のチャン・チョム・ファンさんがともに駆けつけた。乗船者約500人の一行は、8月30日に北朝鮮・南浦港に、9月4日に韓国・仁川港に入港し、9月8日に東京・晴海港へ帰港予定。

南アフリカ・ダーバン会議にピースボートスタッフが参加
  8月28日から9月1日まで、南アフリカ・ダーバンで国連の主催により開催された「反人種主義・差別撤廃世界会議(ダーバン会議)」に、ピースボートスタッフの古山葉子(37)ら4名が参加した。
 8月25日に終了した第33回地球一周クルーズでは、ピースボートのプロジェクトチームのひとつ「チーム・ユネスコ」が、各寄港地で「共生」を訴えるダンスパフォーマンスを披露、賛同者の手形とサインを集めるという活動を行ってきた。古山らは、28日から開催されたNGO会議に出席し、この手形とサインがえがかれたバナーを実行委員会に贈呈。9枚あったバナーは、会議会場となったクリケットスタジアムなどに掲げられた。会場内でも、「共生」の証として大勢の人々から手形やサインが集まり、バナーはさらにいっぱいになったという。
 また、政府間会議出席のためにダーバンを訪れていた、キューバのカストロ国家評議会議長、グアテマラの人権活動家でノーベル平和賞受賞者のリゴベルタ・メンチュウにも、「共生」のバナーを1枚ずつ贈呈した。


今後のピースボート
第35回クルーズに乗船の「国際奨学生」がイスラエル・パレスチナなどから来日
 9月4日、第35回ピースボート「地球一周の船旅」に乗船予定の「国際奨学生」3名が来日する。
 ピースボートでは1998年から、船上を日本人以外にも開かれた場にしていきたいと、いくつかのクルーズで「国際奨学生」の制度を設けてきた。当初は在日外国人がそのメンバーの中心だったが、8月に帰港した第33回クルーズからは、旧ユーゴやイスラエル・パレスチナなど、世界の紛争地を出身地とする若者たちに乗船してもらい、寄港地で他の紛争や対立の様子を見てもらうとともに、船上では陸地で「敵」どうしとなる民族の奨学生どうしによる意見交換なども行っている。
 今回、35回クルーズ参加のために来日するのは、イスラエル出身のNGOメンバーで、「良心」を理由に兵役を拒否しているオフィール・フュールスタイン(21歳)、パレスチナ人法律家のリナ・R・ザラティモ(24歳)、マケドニア人学生で、紛争解決などについても研究を続けているマーティン・ペトコフスキ(24歳)。この3名は9月9日に東京・晴海港から出航するオリビア号に乗船するが、このほかシンガポールから、ボスニア・ヘルツェゴビナ出身の法学生レーラ・バイラモビッチら3名が乗船を予定している。
 計6名の国際奨学生は、そろってスペイン・カナリア諸島のラスパルマスまで乗船予定。船内でのシンポジウムやディスカッションのほか、寄港地でも、さまざまな交流・検証プログラムに参加する。

第33回クルーズ「パレスチナ訪問団」が報告会を開催
 第33回ピースボート「地球一周の船旅」に参加し、パレスチナ人自治区の難民キャンプなどを訪れた「パレスチナ訪問団」のメンバーが、9月23日、東京都内で報告会を開催する。
 第33回クルーズでは、6月27・28日にイスラエル・パレスチナの港、アシュドッドに入港した。ここから約70名の有志が、イスラエル軍による爆撃など緊張が高まるパレスチナ人自治区、ベイトジャラの町やデヘイシャ難民キャンプなどを訪問。帰国後も、メディアを通じては伝わってこないパレスチナの様子を、より多くの人たちに伝えていきたいと、今回の報告会が企画された。当日は、中東問題研究者で、第33回クルーズにも水先案内人として乗船した高橋和夫さんも、ゲストスピーカーとして発言する。

緊急報告会「私たちがみたパレスチナ」
2001年9月23日 14:00〜16:30
会場:シチズンプラザ2F ミーティングルームA(高田馬場駅下車徒歩10分)
参加費:500円
問い合わせ:ピースボート東京事務局(担当:高橋)

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