ペルーから虐殺事件の被害者が来日、
フジモリ元大統領の責任を追及


10月26日(金)午後、衆議院第二議員会館会議室にて、フジモリ政権下で家族を殺された被害者のロサ・ロハス・ボルダさん(36)をペルーから迎えて、アムネスティ主催、ピースボート共催による記者会見を行った。

大統領職を罷免された後に日本国籍を取得、日本に滞在を続けているフジモリ元ペルー大統領に対し、彼の政権下で起きた虐殺事件で、家族を失くしているロハスさんが、フジモリ氏が虐殺・詰問などの人権侵害の責任を取って即座に帰国、真実をうち明けペルー国民謝罪するよう訴えて来日。ペルー最高裁が同容疑でフジモリ氏の身柄の引き渡しを日本政府に求めている中での記者会見とあって、多くの報道陣が詰めかけた。

ロハスさんは、フジモリ政権下の虐殺事件で8歳の息子と夫を亡くした。彼女はフジモリ氏宛への手紙の中で、「私の息子ハビエルの命を奪った、あの91年11月3日からもうすぐ10年になります。今日私は、あなたが祖国に帰ってあなたの責任に向き合うように強く求めるために、この国までやってきました。今日、殺人者がだれであり、誰の命令で虐殺が行われたかについて、真実は明らかになっています。正義を実現し虐殺の理由をあなたが明らかにするまで、私は闘いをやめません」と語り、息子が殺された91年の虐殺事件にフジモリ氏が関与していることを強く訴えた。

ピースボート・ペルー2001キャンペーンの代表、野平晋作は同会見のなかで「わたしたちが昨年ペルーを訪れた際に、現地の人権団体、女性団体からフジモリ氏をすぐに帰国させてくださいとの要請を受けました。日本政府がこれ以上彼をかくまうということは、国際社会から見て日本国民の人権へのモラルを問われることになることだ」と語った。 記者会見終了後、メンバーらはフジモリ氏が滞在しているとされる紀尾井町ビル前に移動、インターホンで応答を試みたが彼の部屋からは反応はなく、ロハスさんは直筆のメッセージを彼の郵便ポストに投函した。その後、人権侵害による責任を取るように強く求めて、チームスペースのメンバーら10数人が手話によるパフォーマンスを披露した。

尚、アムネスティインターナショナル日本によると、10月から11月にかけてインドネシアやアフガニスタンからも虐殺・拷問の被害者を日本に招き、シンポジウムを行う予定。
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