ひと―参加者インタビュー
 奥村 理絵さん (名古屋市出身・26歳)

船に乗る前は?:
 介護師をやってました。

ピースボートを知ったきっかけは?:
 漫画喫茶で見た1枚のポスター。
 以前「青年の船」に乗ったことがあって、船旅の楽しさは知ってたんです。それもあってか、一度は素通りしたんですが、「地球一周」の文字が気になって…。Uターンして漫画喫茶に戻ってアドレスをメモしました(笑)。

55回クルーズに決めた理由は?:
 本当はもっと早いクルーズに参加したいと思っていたんですが、仕事の関係で55回に。出発までは夜勤明けにピースボートセンターに通ったりして、ボランティアスタッフ割引きを貯めました。とにかくピースボートセンターの人たちがあったかくて、今でも「愛されていたなぁ」と感じますね。名古屋Pセンのみんな、大好き!!

これまでで印象深い寄港地は?:
 ケニアが印象に残ってます。寄港地プログラムでムトゥワパ村を訪ねました。失業率50%という村の現状は大きな衝撃でした。日本と比べて、これほどまでに違いがあるなんて、想像以上で…。「このままではいけない。私に出来ることはないのか」と思いました。特に印象深いのが孤児院を訪ねたこと。子どもたちがすごく素直な笑顔で接してくれて。素直な笑顔を持ったまま大人になって欲しいな、と切に思いました。

船のお気に入りの場所は?:
 ヨットクラブでのランチです。天気がいい時には外に出て、みんなと一緒にテーブルを囲むのが楽しかったです!

最近買ったお土産はありますか?:
 サンフランシスコで一目惚れして買った洋服が気に入っています。春っぽい服だから、日本に帰ったら早速お披露目したいと思ってます! あとは、訪れた各地でバッジを買い集めていました。売っていないトコロもあったし、買ってバッグにつけていたら落としちゃったモノなんかもあるんですけど(笑)、けっこうたくさん集まったので、日本に帰ったら、これも披露します。

この旅で食べた「美味しいもの」:
 洋上居酒屋「波へい」の親子丼。みんなで一つのどんぶりを回しながら食べて、とっても美味しかったです。注文しようとして、売り切れだった時はすごくショックでした(笑)

最近参加した船内企画は?:
 年末にやった「紅白歌合戦」でモーニング娘。に扮して「LOVEマシーン」を踊ったのがすごく楽しかった!! 最初はみんな忙しいし、練習してもバラバラで、くじけそうだったんですけど。そう言う私も、いろんな企画に顔を出していて、歌合戦に出ようとは思ってなかったんですよ。でも、スタッフに声をかけられて、あれよあれよとエントリーしちゃって(笑)。
 本番が近づいてもダンスがまったくそろわなくて、「このままじゃダメだ、どうしよう…」って本音が出ちゃったんです。しまった…と思ったものの、それを聞いたメンバーが、忙しい中、一生懸命手伝ってくれて…。優しいメンバーと最後まで踊りきった気分は「最高」でした。素直になるって大事なコトだって教わった、大切な経験です。一緒にやってくれたメンバーにありがとうを伝えたいです。

一言メッセージ:
 旅が始まって、いろんな人に出会ったり、新しいコトを発見したり感じたりして、1日1日を大事にしようと思いました。自主企画や水先案内人の講座もすごく充実してて、1日が48時間くらい欲しいと思ったくらい。本当に充実の船内生活でした。「興味があったらまず行動」が大事だって教わったように思います。
 ピースボートっていろんな意味で「大きな船」。考えることができる船なんです。人の優しさにふれて、素直になることの大切さも知りました。船を降りたら、この旅で学んだスロービジネスを実践してみたいと考えています。そんな自分の方向性も見つけることができました。
 本当にいろんな人に支えられてこの旅に参加できました。そんな支えてくれた人たちのためにも全力で、毎日を過ごしたつもりです。この3ヶ月を決して無駄にはしません。素直な気持ちで、あせらないで、アクションをおこしていくことを大切にしたいです。
 最後に、出会えた全ての人に「ありがとう」を言いたいです。
  「本当にありがとう!」
 田中 純雄さん (大阪市出身・48歳)

船に乗る前は?:
 以前はレストランを経営していて、今はマンション経営をやってます。

ピースボートを知ったきっかけは?:
 友人から聞いたんです。
 以前から、さまざまなボランティア活動に興味があって、実際に参加もしてました。そうした中でできた友だちから「世界を知ることのできる船がある」って、ピースボートを紹介してもらって。旅をしながら世界各国の「現状」を自分の目で学ぼうと参加を決めました。

55回クルーズに決めた理由は?:
 仕事の関係でこの期間でないと参加できなかった、というのもありますが、かねてから行きたいと思っていたケニアとエジプトが航路に入っていたのも大きいです。
 以前から、ワールド・ビレッジ・ジャパンという団体を通して、ケニアの女の子の里親になっているんです。マーガレットちゃんって言う子なんですけど。サファリやピラミッドにももちろん興味があったけど、マーガレットちゃんの住む国を自分の目で見たいという思いもありましたね。

これまでで印象深い寄港地は?:
 マルタ島。「エコ1日体験」という寄港地プログラムに参加したんですが、オーガニック野菜の昼食をいただいたり、まぶしい太陽の下で美しい島を散策したり、いろんな形で「自然」を満喫できたのが良かったです。船に戻ってからの「寄港地アンケート」でも、100点満点をつけました(笑)。

船のお気に入りの場所は?:
 エコチームに参加していて、ワークショップを主催したりしてるから…その開催場所の7Fフリースペースかな。ひとりになりたい時に海を眺めたり、読書をしたりできるデッキも好きですね。自分の時間も大切ですから。

最近買ったお土産はありますか?:
 ケニアのお母さんたちが作ったキーホルダー。これは、水先案内人の早川千晶さんに紹介してもらった、フェアトレード商品のひとつ。キベラ村のお母さんたちが作っている姿を想像すると、あったかい気持ちになるんです。もちろん、商品としてもすごく気に入っているので、大切に日本に持って帰ります。

この旅で食べた「美味しいもの」:
 イタリアで食べたパスタ。以前イタリア料理のレストランを経営していたこともあって、イタリア料理は絶対に食べようと思っていたんです。やっぱり本場のパスタは美味しかったですね。
 あとは、船内の洋上居酒屋「波へい」で出てくる料理全般と、以前ヨットクラブで食べた豚キムチ丼も美味しかった。

最近参加した船内企画は?:
 エコチームやPET(Peace Event Team)、よさこい、それから南中ソーランなんかも好きですね。今は、旅の最後に向けてピースイベントをみんなで企画してて、私も参加しているエコチームでは、エコにまつわるクイズをやろうと思ってます。大きな双六を作って、身体ごと参加できるようなモノにしようと思ってるんですよ。勝者には、エコ商品を贈呈しようかな、と思っていて。「my箸」とか「myカップ」とか。こうしたことがきっかけになって、日本に戻ってからもエコのことを考える人が増えたらいいですよね。

一言メッセージ:
 世界を見ることで、やはり視野が広がります。貧困や暴力、戦争やHIV、満足に食べることができない子どもたち……そういった現状が世界にはまだまだ残っています。ピースボートのいいところは、観光もしながらそういった状況を学べること。「難民キャンプにホームステイ」なんて、他の客船の旅ではできないと思います。地球一周の中で、自分より日本のコトをよく知っている外国人と出会ったり、自分が平和ボケしていることを考えさせられたり――こんな「学びながら旅できる船」をもっと応援していきたいです。ピースボートも、もっともっと、「こんな平和活動をしてます!」って打ち出せばいいのに、って思いますね(笑)。
 北村 瑞世さん (福岡県春日市出身・??歳)

船に乗る前は?:
 元看護師です。

ピースボートを知ったきっかけは?:
 新聞広告。初めて広告を見た時は「こんなに色々な国を訪れる世界一周が、こんな値段で行けるなんて信じられない!」と思いました。

55回クルーズに決めた理由は?:
 以前、ピースボートの52回クルーズ(2005年12月出航)に参加したんです。その旅で、普通の旅行ではなかなか行けないような国にも行けたし、何よりも期待していた南極にも行くことができて、ピースボートの旅はいいな、と思うようになったんです。本当はこのクルーズの一つ前のもの、54回に行きたいと思っていたのですが、事情があって55回にシフトしました。ピースボートの自由なところや、老若男女、さまざまな交流があるところがいいですね。若い人たちが自由な発想で船内で活動している姿を見るのも好きです。

これまでで印象深い寄港地は?:
 ブラジルのアマゾン、ベネズエラのギアナ高地、それからリビアのレプティス・マグナもたいへん良かったです。レプティス・マグナの遺跡には美しいモニュメントが素晴らしい状態で残っていて、メデューサの頭部のレリーフなんかも本当にキレイに残ってるんです。メデューサのレリーフは、上にまたがって首を絞めているように見えるような写真を撮りましたよ(笑)。

船のお気に入りの場所は?:
 喫煙所。タバコは決まったところでしか吸えませんが、そこには自ずとタバコ飲みが集まるんですよね。そこで一服しながら、世間話をするのが好きです。

最近買ったお土産はありますか?:
 エジプトではお土産をいっぱい買いました。水タバコやパピルス、絹の織物なんかも気に入っています。

この旅で食べた「美味しいもの」:
 ケニアでビル・ゲイツ御用達だっていうリゾートホテルに泊まったんです。そこで食べた夕食は本当に美味しかったですね。牛肉が口の中でとろけました(笑)。デザートも美味しくて、持って帰りたいと思ったくらいです。

最近参加した船内企画は?:
 水先案内人の講座にはいつも足を運んでいます。いろいろな知識を得られるのがいいですね。また、今はダンスを集中的にやっています。日本で少しやっていたんですが、船内には上手な人が多いし、自主企画として教えてもらえるのがいいですね。この旅でだいぶ上手になりましたよ(笑)。

一言メッセージ:
 ピースボートの船旅は、やはり普段なかなか行けないところに行けるのがいいですね! 単なる観光旅行として参加しても、船が運んでくれるんですからとっても楽です。ぜひ試してみてください。そして評価は自分でしてください。
 彦坂 和哉さん (北海道千歳市出身・24歳)

船に乗る前は?:
 農業をやってます。

ピースボートを知ったきっかけは?:
 2006年の西日本旅行の帰り、名古屋から苫小牧に向かうフェリーで出会った年輩の男性がピースボートに乗った際の話を聞かせてくれたんです。それがきっかけですね。「次は地球一周だ!」と思ったのをよく覚えています。

55回クルーズに決めた理由は?:
 農家なので、冬は仕事がないんです(笑)。だから、この時期を逃してはいけないと思って、船に飛び乗りました。

これまでで印象深い寄港地は?:
 サンフランシスコ/寄港地プログラムに参加するのもいいけど、サンフランシスコでは「自転車でゴールデンゲートブリッジを渡る」というプランを立てて実行したんです。目的も達成できたし、気の向くままにあちこち回れたので、大満足の2日間でした。

船のお気に入りの場所は?:
 7Fのソファー。友だちがいっぱいいて、落ち着きます。

最近買ったお土産はありますか?:
 買ったものでは…パナマで買ったポンチョ。いま着ているものがそれなんですけど(笑)。すごく気に入っていて、最近は毎日着てます。
 買ったもの以外では、カナリア諸島のトレッキングで見つけた日本では見られないような大きな松ボックリとか、グアテマラのパカヤ火山登山で拾った熔岩とか……(笑)。

この旅で食べた「美味しいもの」:
 バルセロナで食べたシーフード・パエリア。予想以上に美味しかったです。

最近参加した船内企画は?:
 夜の11時過ぎくらいに、何気なく企画されているトークの自主企画が面白いです。時に本音で語ったり、ふざけあったり、お笑いをやったり。ほとんどがふざけた話ばっかりですけど(笑)。みんなで話してる時間が楽しくて。

一言メッセージ:
 もともと友だちが多い方ではなかったから、この船に乗ったことで、日本全国に友だちができたことがとてもウレシイです。日本に帰ってまた旅することがあったら、ピースボートで知り合ったみんなの町を訪ねてみたいです。
 高森 育子さん (新潟県新潟市出身・34歳)

船に乗る前は?:
 元プログラマーです。

ピースボートを知ったきっかけは?:
 ポスターを見て、単純に「地球一周できるんだ」と思いましたね。

55回クルーズに決めた理由は?:
 11年間勤めてきましたが、今できることをしたいと思って。思い切って飛び乗りました。

これまでで印象深い寄港地は?:
 グアテマラで訪れた古都・アンティグアがよかったです。たまたま宿泊したホテルの向かいに日系の方のお宅があって、ちょうどドアが開いていた時に挨拶したら、中に招き入れてくれたんです。そのお宅には、バックパッカーとしてグアテマラを旅しているっていう日本人も遊びに来ていて。異国の地で日本の人たちと出会えたことが嬉しかったですね。もちろん、ホテルでピースボートの仲間たちと一緒にお酒を楽しんだこともいい思い出です。

船のお気に入りの場所は?:
 売店。日本で売っているような商品が充実しているからか、なぜか安心するんですよ(笑)。それに、売店にいるといろんな人と出会えるのもお気に入りの理由かな。

最近買ったお土産はありますか?:
 ケニアで大きなキリンの置物を買いました。それが大きすぎて、私のキャビンでは同室のメンバーにも迷惑をかけてしまうため収納不可能に。今はひとり部屋を使っている友だちのキャビンに置かせてもらっています(笑)。

この旅で食べた「美味しいもの」:
 出航の翌日のヨットクラブで食べた挽肉とナスのカレーが美味しかったです。こんな昔のことを何でって思うでしょ?この旅で撮った写真を整理していたらそれが出てきて、そういえば美味しかったなぁ…って思い出しました(笑)

最近参加した船内企画は?:
 GET(洋上英会話教室)でやっているスペイン語講座が楽しみです。旅のはじめの頃に試しに行ってみたら楽しくて、それ以来、けっこう頑張って参加しています。英語だけじゃない、さまざまな言語に触れられるのは楽しいですね。スワヒリ語講座なんかも面白かったですよ。

一言メッセージ:
 思い立ったが吉日!! 行動あるのみです!! 船を降りてからもアクティブに行きたいです!
 功刀 良樹(くぬぎ・よしき)さん (山梨県生まれ、シドニー在住・67歳)

船に乗る前は?:
 元ケミカル・エンジニアです。

ピースボートを知ったきっかけは?:
 シドニーから日本に帰国した際、ポスターを見ました。最初はNGO「GREEN PEACE」かと勘違いしました(笑)。

55回クルーズに決めた理由は?:
 もともと地球一周には興味があって、参加できるもので一番早く出航するものを選んだんです。

これまでで印象深い寄港地は?:
 ケニアの大草原と、ヨルダンのペトラ遺跡が良かったなぁ。

船のお気に入りの場所は?:
 シアターで映画を見ることと、フリースペースで新聞を読むのが楽しみです。

最近買ったお土産はありますか?:
 お土産、というわけではないのですが、毎寄港地、その土地のワインを飲むことが楽しみで。それが自分へのお土産かな(笑)。

この旅で食べた「美味しいもの」:
 お正月に船内で出たおせち料理。船で出されるもの、と思っていたけれど意外にも美味しかったですね!

最近参加した船内企画は?:
 自主企画「般若心経・読経会」に参加しています。この船に乗ってから始めたことですが、いろいろな考えを学べることを知り、毎朝参加するようになりました。

一言メッセージ:
 「受け身」の状態で船旅に期待しすぎるとがっかりしてしまいます。うまく楽しむためには乗船前に自分が旅でやりたいことを決めて、主体性を持って乗るといいでしょう。自分はこの旅でいろいろな年代の人と話をし、さまざまな経験談を多く聞くようにしています。自分の人生と比べてみるのは興味深いことですから。この旅の経験は、船を降りてからの生活に繋げたいと思います。
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