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 10月25日。AHPT(Asian History Project Team)の佐久間理絵、近藤裕子による講座『沖縄は今』より。
 今回取り上げたのは「沖縄米軍基地問題」。新たな米軍海上航空基地建設に反対する地元住民と政府が、直接対峙する状況が現在も続いている。
 沖縄の海に"米軍の基地を建設する"ということがどういう意味を持つのか──歴史認識の問題について考えるとともに「話を聞く姿勢・対応の仕方を世界に出るみなさんと共に考えていきたい」と佐久間さんは語った。
 10月26日。水先案内人・越田清和さんの講座『いまODAを考える──この50年を振り返って』より。
 今年で50年を迎える日本のODA(政府開発援助)。本来は、途上国の人々の生活がより良いものとなるよう行われる資金援助だが、住民の反対を押し切って進められる開発や、地元民を強制退去させるなど、ケースによっては目的とかけ離れた状況を作り出しているのが現状だ。
 一見、われわれの生活とは無関係とも思えるODAだが、そもそもの資金源は税金、郵便貯金、年金といった国民の"フトコロ"。「50年を迎える今こそ、本当の意味でODAを貧困をなくすためのものに変えよう」と越田さんは語った。
 10月28日。水先案内人・ファムティーターン・ヌンさんの講座『ベトナムの光・環境活動から新しい未来』より。
 ヌンさんは、ベトナム・ダナンの「緑と環境の青年会議」の創立者であり、国連開発計画の「ダナン緑化計画」のプロジェクトマネージャーでもある。
 「自分の手でも、周りの環境や社会を変えられる」と確信するようになって、何をすべきか考えるよりも先に、まずは行動するようになった、とヌンさんは語る。
 「ベトナムの人々は今、未来のベトナムのために、世界の国や人々とより良い関係を作りたいと願っています。"戦争"という過去はもちろん忘れてはならない出来事ですが、"ベトナム=ベトナム戦争"という観念にとらわれることなく、現在、そして未来につながる議論をしていかなくては」──ヌンさんは、そのアツい思いを伝える一人の若者として、ブンタウまでの2日間乗船する。

 11月1日、洋上語学プログラム「GET」 がスタート!!"正しい文法"や"きれいな発音"にとらわれず、地球一周を通じて徹底的に「話す」力をトレーニングする──今日のレッスンを実践するのは、早速次の寄港地だ。
 11月1日、イラク・バラドで武装組織に拘束され、人質となっていた香田証生さんの遺体発見、という報道を受け、船内ではスタッフによる緊急企画が行われた。
 内容は、事件の経緯を時系列で見て行きながら、浮かび上がる「なぜ?」 をみんなで考えようというもの。会場となったフリースペースは人で溢れ、集まった参加者の多さに、事件への感心の高さがうかがえた。

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