ひと──参加者インタビュー
バックナンバーVol.1
[松嵜久弥さん(東京都出身・25歳)]
松嵜久弥さん  海の見える窓際で、英語の勉強をされていた松嵜さん。生まれつき脳性麻痺による左上下肢機能障害があり、今回の乗船は、人間的にたくましく、自立したくて決断されたんだとか。そんな松嵜さんに、船内での生活、地球一周に対する思いを伺いしました。

Q:乗船されるにあたり、いろいろと気になることなども多かったと思います。松嵜さんが決断されたのは何が決め手でしたか?

A:高校卒業と同時に母がなくなり、7年近く父親とふたりで暮らしていました。料理に関心があり家事も好きだったので「主夫」生活でしたね。
 旅行自体は好きではなかったのですが、今年1月にピースボートを知り、父親から自立することを考えていたこともあって、乗ってみようかなぁ…と。46回クルーズはオリンピックに参加できること、アメリカに住んでいる姉に会いに行くということで決めました。今、英語の勉強をしていたのも、姉の知り合いと会話できるようにするためです。
 障害があることから、母が亡くなってからあまり外に出なかったんですよ。船に乗ってよかったです。

Q:出航してから10日ほど。いまの生活はどうですか?

A:4人の相部屋なんですが、みんなと仲良くなれました。もともと「食べるコト」が好きなので、食事の時間が好きです。ひとりでご飯を食べに行って、いろいろな人と話ができますしね。おかげで日が経つごとにすれ違う人に挨拶されることも増えました。
 今、こうやって座っているだけでも、空いている席に人が座ってくれる、そこから交流が始まるんですよ。

Q:まだまだ地球一周は続いていきますが、これからやりたいことや楽しみなことは?

A:寄港地で、食べたことのない物を色々食べたいですね。魚介類が好きなので、モロッコのタコを食べてみたいな。寄港地でのオプショナルツアーはほとんど取っていないので、いろんな人と寄港地をまわりたいです。
 『食』を通じての交流が楽しみですね。日本にいる頃には決まった人たちとしか会話しないので、良い思い出がつくれるといい、と思っています。
 それから、阪神ファンなんです。船内にいる阪神ファンで集まってみたいですね。神戸の出航では「六甲おろし」が流れて感激しましたよ(笑)

Q:すでに、船内生活の楽しみ方をマスターしている感じですね。では最後にメッセージをお願いします。

A:私事ですが、先日、父親の誕生日だったんです。電話も何もしなかったのですが、元気でやってるのかな…と(笑)
 障害を持っていて「かわいそう」とか思われることもあるけれど、身体は機械の部品ではないのです。障害がきっかけで体調を崩すこともあるけれども、おぎない支えあって生きているということを、みなさんにも一歩踏み込んだ世界で理解してもらいたいですね。
[小島恵美子さん(東京都出身・70歳)]
小島恵美子さん  落ち着いた雰囲気で、とても穏やかな人柄を感じさせている小島さん。出航にあたっての今の心境や、ピースボートとの出会い、そして46回クルーズで楽しみにしている事などをうかがいました。

Q:ピースボートを知ったきっかけは?

A:もともと海外生活は長いんです。最近は一ヶ月ほどメキシコにも行ってきました。20年ほど前から様々な国を回りたいと思っていました。なので昨年12月に新聞で見つけてこれはイイ!!と早速問い合わせましたね。46回は時期も良いですし、内容も良かったです。最近はボランティアスタッフとしてピースボートセンターに通っています。

Q:ボランティアスタッフとして関われた事で、乗船にたいする気持ちなど変わった事はありましたか?

A:経験者の方が大勢いて、話を聞けるので不安がないですね。様々な作業に関わる事でピースボートの事も知る事が出来ました。

Q:船上でやってみたい事や、寄港地で楽しみな事とかありますか?

A:船の上では、日の出と日の入りを見るのが楽しみです。それを絵に描いてみたいな…と思ってるんですよ。
 寄港地はみんな楽しみでしょ?でも今までいろんな国をまわってきた中で、モロッコに行ったことがないんです。なのでモロッコが楽しみですね。あとはマヤ遺跡とか…。

Q:船の上で朝日や夕日を観ながら絵を描くなんて素敵ですね──では最後に、一言お願いします。

A:こんな素敵な旅に参加できる事をとても感謝しています。

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