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「朗読の『楽しさ』伝えます」/由布木一平(演出家)
 朗読劇演出家、由布木一平さんによる最初の講座。由布木さんは、長年、劇団で役者として活躍後、朗読劇の劇団を設立。
 現在は演出家としてさまざまな朗読劇を手がけている。今クルーズでは、洋上朗読劇団の立ち上げも予定している由布木さんが語った「朗読」とは――?

 「作家がどう考えるかではなく、朗読者が自分で考え、自分の感性で理解したものを伝えるのが『朗読』です。私たちは日常生活において、身体の部分、部分に対して特別な意識を払ってはいません。それを意識し、支配することが朗読の基本です。
 朗読に上手い、下手はありません。その人が生まれて育った、人生の限りの表現が朗読です。だから、『上手い』だとか『下手』だというのも自分に対する差別の一つだと私は思います。」
「カメラマン50年の軌跡」/新藤健一(フォトジャーナリスト)
 元共同通信写真記者、新藤健一さんによる最初の講座。新藤さんがカメラマンとして歩んだ50年間に撮りためたスライドを交えて、「報道の現場」から見た日本、そして世界の歴史と現在をお話しいただきました。

 「沖縄返還の日の朝、沖縄は雨でした。しかし翌日、晴れた日の写真を掲載した新聞社が何社かあったのです。実際には、日の丸が雨に濡れていたのに、それを晴れの日の輝かしい写真に差し替えていた。たかがお天気です。しかし、どうしてこんなことが起きたのでしょうか。  
 写真やそれが皆さんに与えるイメージというのがどういうものなのか、映像が持つ危うさや怖さ、それが世論操作に使われる可能性などを、この船の企画を通して皆さんに伝えたいと思っています。」

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