国名
エジプト・アラブ共和国(Arab Republic of Egypt)
ことば
アラビア語
・解説
紀元前にナイル川を中心とした古代文明が栄え、いくつもの王国が盛衰を繰り返したあと、7世紀のアラブ侵攻によりイスラム化。フランスの侵攻、オスマントルコの支配などを経て、第一次世界大戦後にイギリス保護領となる。1922年にはエジプト王国として「独立」するが、実質上のイギリス支配は変わらず続いた。1952年のエジプト革命で共和国となり、アラブ国家の一員としてイスラエルと対立。中東戦争に参戦するが、のちに他のアラブ諸国に先駆けてイスラエルとの和平条約に調印した。このため、一次はアラブ社会での孤立を招くが、現在はアラブ連盟にも復帰し、欧米とアラブ諸国とのパイプ役ともなっている。
[エイシ/Aysh]
レストランでエジプト料理を食べると、必ずと言っていいほど一緒に出てくるパンがこれ。 路上で子どもが売り歩いているのもよく見かける。形はピザやインドのナンにも似ていて平たく、中が空洞になっている。石のパン焼き窯から取り出したばかりの焼き立ては丸く膨らんでいてとても香ばしく、タヒーナ(ゴマのペースト)やチーズをつけて食べると最高!肉料理や香味野菜をはさんでサンドイッチにすることも多い。
[ターメイヤ/Ta'miyya]
そら豆をつぶして揚げたヘルシーなコロッケ。屋台などでも売られていて、エイシにはさんで食べる。やっぱり揚げたてがいちばんだ。
[シシケバブ/Shish Kebab]
羊肉の串焼き。街にはケバブ屋がたくさんあり、エジプト式ハンバーグともいえるコフタなんかも食べられる。いずれもエイシにはさんでサンドイッチにしてもおいしい。
[マハシ/Mahashi]
アラビア語で詰め物のこと。料理としては、挽き肉、ライス、トマトなどの詰め物を野菜に詰めたり巻いたりしてスープで煮たものをこう呼ぶ。いちばん人気はブドウの葉で巻いたものだというが、そのほか、キャベツで巻いたもの、ピーマン、トマト、ズッキーニなどをくりぬいて中に詰めたものなど、バラエティ豊か。
[ハマーム/Ha-mehm]
鳩の丸焼きのこと。「開き」のような形になっていて、よく見ると頭と翼がついている。肉厚ではないが、骨のまわりの肉をはがすようにして食べるととてもおいしい。
[コシャリ/Koshari]
エジプト庶民の味といえばこれ。ご飯とパスタに豆をのせ、揚げた玉ねぎとトマトソースを添えたもの。あんまり見た目はよくないが、安くておいしいのでぜひトライ。「コシャリギー」と呼ばれるコシャリ専門店もある。
また、コシャリギーで食べられるお米を使ったデザートが「ロズビラバン」。ライスプディングのことで、「甘いお米!?」と敬遠する日本人も多いが、なかなかおいしい。
[ガラベーヤ/Galabayya]
エジプトをはじめとするアラブ地域で着用される民族衣装。丈の長いパジャマのような形をしているので、「ネズミ男みたい」という人も。女性用には手縫いの刺繍が施された色鮮やかなものもある。
カイロ市内では着ている人をあまり見かけなくなったが、市場には専門店もある。
[カルトゥーシュ・ペンダント/Cartouhe Pendant]
カルトゥーシュとは、古代エジプトで王様の名前をヒエログリフ(人、鳥、獣、魚などの絵で表現される象形文字)で記すときに用いられた、小判状の枠で囲まれたデザインのこと。カイロやギザには、名前をヒエログリフで金や銀のプレートに彫ってペンダントにしてくれる専門店がある。 自分用にも、家族や友達のお土産にもぴったり。
[シーシャ/Shisha]
水パイプのこと。アラブの街を歩いていると、必ずと言っていいくらい、オジサンたちが座って吸っている姿に出会うはず。水タバコ屋でチャレンジしてみるのもいいが、水パイプ自体も凝った細工の美しいものがたくさんあるので、お土産に買って帰る人も多いようだ。ただし壊れやすいので持ち運びには注意して。
[エジプト考古学博物館]
ツタンカーメンの黄金のマスクが展示されている大博物館。くまなく見て回るには丸1日かかるとも言われるほど多くの財宝が集められている。カイロ市内の中心的存在であるタハリール広場に面し、隣にはナイルヒルトンホテル。ランドマークとしても利用できる。
10ポンド(ビデオは100ポンド)払えば館内での写真撮影も可能だが、フラッシュは禁止されている。また、ミイラ室入場は別料金(40ポンド)で、写真撮影は禁止。
[シタデル/Citadel]
カイロ市内を見渡せる絶好のポイントとなっている城塞で、壮麗なムハンマド・アリ・モスクがそびえ立つ。この城下町として広がるイスラミックカイロは中世の街並みと生活がそのままに残る一帯で、世界遺産にも登録されている。露店が並ぶ街路は、買い物に来た人たちや荷車を引くロバでいつもごった返し、とてもにぎやか。
[ハン・ハリーリ市場]
イスラミックカイロの北側にある巨大なスーク(市場)。中は迷路のように入り組んで、異次元に迷い込んだようなワクワク感が味わえる。土産物を揃えるにも最適の場所だが、ほとんどの商品には値札がついていないので、値切り交渉を繰り返しながらの買い物を楽しもう。
[ギザ/Giza]
「三大ピラミッド」であまりにも有名な場所。通称「ピラミッド通り」といわれるアフラーム通りから入っていくと、まず手前に見えるのが、一番大きいクフ王の大ピラミッド。そこから順に、カフラー王のピラミッド、そして一番小さいメンカウラー王のピラミッドが並んでいる。
頭は人間、体はライオンで有名なスフィンクスもここに鎮座している。ちなみに、このスフィンクス、もともとは長いアゴヒゲをつけていたのだそう。そのヒゲはイギリスの大英博物館に収められており、エジプト政府は現在返還交渉を進めているのだとか。
[寄港地担当者より]
エジプトのピラミッドは、なんと2000年以上の歴史を持つ「世界最古の観光地」なのだそうです。紀元前の昔から、ピラミッドを見るために遠くからやってきていた人たちがいた、というわけです。
そのころのようすをそのままにとどめる遺跡群に対し、エジプトの首都となったカイロの街は、人口1000万人を超える大都会に成長しました。悠久のナイルも喧騒に包まれ、いまや「ナイルを見ながら静寂に浸りたければ、早朝に行くしかない」と言われるほど。でも、そんな喧しさも含めてこその「エジプト」体験です。にぎやかな市場を歩いて、アラブ商人との値切り交渉も存分に楽しんでください。
(井上誠)
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