国名
ケニア共和国(Republic of Kenya)
ことば
スワヒリ語のほか、それぞれの民族がおのおのの言葉をもつ
・解説
15世紀ごろからアラブ国家やポルトガルの支配を受け、港町モンバサはインド洋沿岸や西アジアなどへの「奴隷積み出し港」として栄えた。20世紀に英国の直轄植民地となり、1963年に英国領内の自治領として独立。翌年、共和制へ移行した。
国立公園などでのサファリが観光客に人気だが、首都ナイロビなどは高層ビルが立ち並ぶ大都会。また、貧富の差もひじょうに大きく、近年はHIV感染者の急増が大きな問題になっている。2002年の総選挙では、野党候補のムワイ・キバキが当選、24年にわたるモイ前大統領の独裁に終止符が打たれたことから、今後の情勢にも注目が集まる。
[ウガリ/Ugali]
白いトウモロコシの粉を熱湯でよく練って固形状にしたもの。ケニアだけではなく、東アフリカ全般で主食として食べられている。ちょっと餅にも似ていて、「ジャムやチョコレートをつけて食べたらおいしかった」という人も。
ふつうは肉の煮込みなど、おかずを添えたりかけたりして食べる。これを手で上手に食べられるようになれば一人前(?)かも。
[ニャマ・チョマ/Nyama Choma]
ケニア式焼き肉のこと。羊肉、牛肉なども使われるが、一般的には山羊肉がポピュラー。できたてをウガリと一緒に食べると、くさみもなくておいしい。食堂などへ行けば必ずあるという代表的料理、ケニア人は週に一回は食べるとか。
[カランガ/Karanga]
東アフリカの代表的な料理といえば、なんといってもトマト味のシチュー。これはそれに牛肉とジャガイモ(時にはニンジンも)を加えて煮込んだ、いわば「東アフリカ風肉じゃが」とでもいうべきもの。
[サモサ/Samosa]
日本ではインド料理のイメージが強いサモサは、アフリカでもよく食べられている。 挽肉や、タマネギ、ジャガイモなどを炒めて小麦粉の皮でくるみ、油で揚げる。街角の屋台などでどうぞ。
[マンダジ/Maandazi]
東アフリカでよく食べられている揚げパン、もしくはドーナツのこと。サモサなどと同じように街中でスナックとして売られているが、これに甘〜いチャイを添えれば立派な朝食にもなる。ちなみにマンダジ本体は、あんまり甘くないもの多い。
[木彫り]
サファリの売店から港に出る露店まで、どこにでも所狭しと並んで売られているのがこれ。サファリで出会う動物たちの姿がリアルな木彫りになっている。「狩って楽しむもの」だった野生動物が、現在のようにサファリで「見て楽しむもの」に変化してゆく過程の中で、獲物の代わりに持ち帰るものとして、このような木彫りが発達したのだという。
一番人気はキリン。手のひらに載るような小さなものから、高さが1メートルくらいある大きなものまでサイズはさまざま。単なる置物だけではなく灰皿などになっているものも。また、近所に暮らすマサイの人々を模したものもあり、こちらもなかなか迫力がある。
[楽器]
迫力あふれるアフリカ音楽は、この地を訪れる楽しみの一つ。アフリカンドラムなどの楽器も、土産物屋で手に入れることができる。大きさもいろいろ、音色ももちろんそれぞれ違うのでいろいろ試していいものを選んでみよう。
[カンガ/Kanga]
東アフリカの民族衣装ともいうべきカンガは、色鮮やかなプリントが魅力の大きな布。本来は2枚セットで用いられ、一枚を腰に巻き、もう一枚を頭からかぶってよそおうのが基本スタイル。1枚1枚に、スワヒリ語のことわざや言い伝えが記されているので、意味を尋ねてみても面白い。
[ツァボ国立公園/Tzavo National Park]
アフリカ最大の国立公園のひとつ。ケニアの幹線であるモンバサ・ロードをはさんで東西に分かれており、合わせると2万812平方キロと、四国よりも少し大きいくらいの面積を持つ。60種類を超えるほ乳類、700種の植物が生息しているといわれ、中でも野生のアフリカ象の数は8000頭という。
東アフリカ鉄道が中を走っており、1971年には、列車と象が正面衝突して運休するという事故もあった。今よりずっと象の数が多かったころのことである。
[フォート・ジーザス/Fort Jesus]
1593年、東アフリカ全域を支配していたポルトガルの手によって建造された砦(とりで)。のちにケニアがイギリス保護領となった時代には、植民地政府の刑務所としても使用されたという。現在は博物館として一般公開されており、かつてこのあたりで取り交わされた交易品などが所狭しと並べられている。
また、ここから見るインド洋の眺めは最高。まわりには土産物などを売る露天商も並ぶ。
[寄港地担当者より]
ケニアといえば、知らない人はいないサファリの国立公園。サバンナがどこまでも続く中、キリンやシマウマ、時には像やライオンが姿を現す。テレビの中で見た光景には、やっぱり単純に感動します。青空や星空の下で食べるごはんがこれまたウマイ。
それから、街を歩いたり、サファリのガイドさんと存分におしゃべりしたりして、この国に暮らす人たちの素顔にも、ぜひふれてほしい。何といってもここは「ハクナマタータ(ノープロブレム)」と「ポレポレ(ゆっくりのんびり)」の国。ときにはイライラさせられたりしながらも、帰るころにはすっかりそのペースにはまっていたりして。
「癖になる」、そんな2日間が待っています。
(井上誠)
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