国の起源は、9世紀頃にヨーロッパで栄えたフランク王国。1789年のフランス革命後は、王政、帝政、共和制が順に繰り返す混乱の時代が続いた。19世紀末からは、積極的な植民地拡大政策を展開。ベトナム、カンボジアなどの仏領インドシナ、北アフリカのアルジェリアは、戦後に長い戦争の末に独立したが、現在も仏領ポリネシア(タヒチ)、ニューカレドニアなどの海外領土を保持している。1995年には、タヒチ近海のムルロア環礁で強行した核実験が世界的な批判を浴びた。
近年は北アフリカなどからの移民が急増しており、特に南仏のマルセイユはその傾向が顕著な多民族シティとなっている。いっぽう、失業率の上昇や治安の悪化などを背景に、2002年4月の大統領選挙では、「移民排斥」などを訴える右翼政党の党首が健闘する番狂わせとなり、世界に衝撃を与えた。
ちなみに、サッカーのフランス代表チームも「多民族国家」を証明するような多民族構成となっており、1998年のフランスワールドカップで優勝した際には、「多民族社会の象徴」として喝采を浴びた。しかし、2002年の日韓ワールドカップではまさかの一次リーグ敗退。入港するマルセイユは、チームを率いる司令塔ジダンの出身地でもある。 |