□2月29日 チリ・バルパライソの若者たちとフェスティバル!! |
2月29日、チリ・バルパライソでおこなわれたピースイベント。現地NGOとの共催でおこなわれたこのイベントは、参加者、南米からの「ピースボート留学生」・ISラティーノスたち、そしてバルパライソの人たちで、一緒につくりあげたモノになった──。
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長ーい布を二つ折りして穴を開けて頭を入れて……芋虫のようにみんながつながってぐるぐる歩きまわるコレ。名前はずばり『グサノ(虫)・プロジェクト』。
横に書いてあるのは「平和のための世界的行動をいま!!」という文字。もちろん、裏にはスペイン語バージョンも。参加したバルパライソ市民の中からは「若い人たちの表情がとても輝いている。そのことに私は、大きな希望を抱いています」という声も。 |
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人目を引くにはパフォーマンスがいちばん。船内ではもう定番、漁師の動きをダンスにした「南中ソーラン」のまわりには、やはり人だかりができていた。 |
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ステージでは、原爆投下時のようすを生々しく描いた丸木位里・丸木俊「原爆の図」を展示。日本から持ってきたこの図、寄港地での披露はインドに続き2度目。まわりでは、絵をじっとみつめる市民たちの姿が──。
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ISラティーノスたちによるパフォーマンスも盛り沢山。これは、ブラジル出身のIS、ポチーラによるジャグリング。とはいってもお手玉ではなく、炎ゆらめく棍棒をくるくる振り回すモノだ。うーん、見ているだけでハラハラする…。
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チリ出身のダニエルが使うのは得意のギター。船内でもコンサートを開いた彼は、1973年のクーデターの中で殺害された国民的歌手、ビクトル・ハラの歌をうたってくれた。彼の演奏に合わせて、まわりで見ていた人たちが自然に口ずさんでいるのが印象的だった。 |
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「あなたにとって平和とは何ですか?」──そう問いかけて描いてもらった絵には、家族や家、自然の風景が多く描かれる。子どもたちにとって「楽しい絵」というのは、きっとこういうモノなのだろう。
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最後は手をつないで、出港曲をうたう。 考えてみれば、90年に民政移管するまでの17年間、チリではこんな繁華街で「平和」「人権」といった言葉をかかげて自由に集まることなど許されなかったのではないだろうか。
ここで出会ったチリの人たちはこのイベントにとても好意的だったのだけれど、それは「言いたいことを自由に言える『平和』の大切さ」を身に染みて知っているから、なんじゃないだろうか。そんなことをしみじみ感じたイベント、でもあった。
(久野良子)
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