国名
ナミビア共和国 (Republic of Namibia)
ことば
公用語である英語のほか、ドイツ植民地時代が長かったため、ドイツ語もひろく通じる。先住民族の人々はそれぞれ固有のことばももつ
・解説
コイサン人、ヘレロ人、ヒンバ人などさまざまな民族が暮らしていたところに、19世紀末からドイツ人が入植。現在のナミビアにあたる地域を「南西アフリカ」として保護領に編入した。
第一次世界大戦でドイツが敗戦国となると、ナミビア(南西アフリカ)は隣国南アフリカの国連委任統治領に。第二次世界大戦後も、南アはこれを国連の信託統治に移行させることを拒否し、自国領土として強制併合する。1960年代ごろからこれに対する独立運動が高まり、1990年にようやく「ナミビア共和国」として独立。入港するウォルビスベイはその後も南ア領にあり、1994年になってようやくナミビアに返還された。
「世界でいちばん人口密度の低い国のひとつ」とも言われ、内陸部には広大なナミブ沙漠が広がっている。
[ソーセージ]
長くドイツ統治下にあったナミビアでは、街並みだけではなく、食文化にもその影響が大きく残っている。その代表格、ソーセージは、朝ご飯にも、ビールのつまみにも欠かせない。焼いたり茹でたり、種類もいろいろで実に美味しい。
[ビール]
これもドイツ時代の名残のひとつ。スワコプムンドにはビールの醸造所があって、そこで作られた新鮮なビールが飲める。ソーセージやシーフードをつまみにジョッキを傾ければ、乾燥した気候のおかげ(?)もあって、ついつい止まらなくなりそう。飲みすぎには気をつけて。
[牡蠣]
港町だけに、新鮮なシーフードがいろいろ食べられるけれど、なかでもお勧めがオイスター。生牡蠣にレモンを絞ったのはこたえられない味。
ウォルビスベイ近くの湾をめぐるボートクルーズでは、船の上でオイスターを食べさせてくれて、これがまたウマイ。また、ダイナミックにオーブンで焼き上げて出てくるロブスターも身が厚くて美味しい。
[トルマリン]
ナミビアは鉱物資源の豊富な国。さまざまな半貴石を使ったアクセサリーがお土産として人気だ。
なかでも有名なのが、ピンクや青などさまざまな色が楽しめるトルマリン。ひとつの石の中に2色以上が混じっているものもあり、比較的傷もつきにくいので、手軽に楽しめる。価格もかなり手ごろな場合が多いようだ。
[塩]
塩は、古くからウォルビスベイの特産品のひとつ。海岸沿いに、広い塩田が続いている。ここで生産された良質の塩がスーパーマーケットなどで売られている。もちろんお土産にもオススメ。
[工芸品]
ナミビアの土産物屋の大半を占めるのは、革や木、石などで作られた各種民芸品。値段はそれほど安くないが、とくに革製品などはなかなか質もよく、オススメ。
また、ヒンバやヘレロなどの少数民族による民芸品も売られていて、ユニークなデザインが面白い。
[ナミブ沙漠とデューン7/Namib Desert and Dune 7]
アフリカ大陸西岸、ナミビアから南アフリカにかけて広がる「世界最古の沙漠」ナミブ沙漠。「ナミブ」は先住民族コイコイ人のことばで「何もない場所」という意味だが、実際には多くの鉱物資源を含んでおり、南部のほうに広がる砂丘は、その資源の種類によって、赤や白、グレーなど、さまざまな色合いを見せる。
ツアーで訪れる中での見どころのひとつが「デューン7」。「デューン」とは砂丘のことで、この砂丘は町から7キロ離れたところにあることからこの名前がついたという。光に照らされて輝くその姿はとても美しい。
いっぽう、北部のほうはゴツゴツした礫岩が続く荒野。西岸の海岸は、沖合いにいくつもの難破船が放置されていることで知られており、別名を「スケルトン・コースト(骸骨海岸)」という。オプショナルツアーNコースでは、この迫力ある光景を上空から楽しめる。
[スワコプムンド/Swakopmundt]
ウォルビスベイより北、ナミブ沙漠を訪れる観光客の基地となる町。古くからイギリスに支配されていたウォルビスベイに代わる港町として、ドイツ系住民によって建設された。今も、1900年代初頭のドイツ風建築物が建ち並んでおり、独特の雰囲気を漂わせている。
メインストリートであるカイザー・ウィルヘルム通りには、現在病院として使用されている「ビスマルクハウス」という名前の建物も。沖を流れる寒流の影響で、夏でも過ごしやすく、避暑地として人気。ヨーロッパ、特にドイツからの観光客が多数訪れる。
[ウェルウィッツア/Welwitschia]
「2000年の寿命を持つ」と言われる、世界でナミブ沙漠にだけ生息する植物。日本語での園芸名はなんと「奇想天外」。
表面に出ている茎はわずかだが、実は地中に長く太い根を伸ばし、そこから養分を吸っているという。本来、葉っぱは2枚だけなのだが、乾燥と強い風で、その大きな葉は葉脈に沿っていくつにも裂けてしまっていることが多い。
このウェルウィッツアが見られる場所へ続く道は、「ウェルウィッツアドライブ」と言われ、変化に富んだ大自然が楽しめるコースとして知られている。
[寄港地担当者より]
ナミビアの魅力は、と聞かれれば、やっぱり壮大な自然風景でしょうか。内陸部には、「世界最古の砂漠」ナミブが広がります。
「サバク」といってもその表情は一筋縄ではありません。礫岩が転がる荒涼たる大地、太陽に照らされてその色を変える砂丘、数百年も生き続けるというふしぎな植物「ウェルウィッツア」…。
それから、「降るような」としか形容のしようのない星空の下で食事、なんて体験も…。日本でもまだ知る人の少ないナミビアの魅力を、一足先にたっぷりどうぞ。
(山本隆)
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