[ティエラ・デル・フエゴ国立公園と「世界の果て」号/Parqe Nacional de Tierra del Fuego &
Tren del Fin del Mundo]
ティエラ・デル・フエゴは、ウシュアイア市内から東に約キロ行ったところにある、面積6万3000ヘクタールという広大な国立公園。世界でもめずらしいブナの原生林をはじめ、切り立った山々や谷、美しい湖などパタゴニアの雄大な自然に出会うことができる。ビーバーが多数生息していることでも知られ、あちこちに水をせき止めてつくったダム
(巣) がある。
ここでは、SL「世界の果て」号にもぜひ乗車しておきたい。ウシュアイアの監獄に収容されていた囚人たちが建設したことで知られる列車だ。当時は約25キロもの区間を走っていて、囚人たちが切り出した木や、ときには囚人たち自身を乗せるために使われていたという。現在はその一部が観光用に残されていて、オモチャのようなかわいらしい蒸気機関車が走っている。
また、公園内には北から走ってくる国道3号線の終点にあたる地点があって、「ブエノスアイレスまで3,063キロ、アラスカまで17,848キロ」と書かれた看板が立っている。
[アルマス広場/Plaza de Armas]
サンチアゴ旧市街の中心に位置する緑豊かな公園。辺りは建物の密集した賑やかな通りで、噴水と花に囲まれたこの空間は、貴重な市民の憩いの場だ。週末ともなれば、大道芸人や物売りの姿も増え、多くの人で賑わう。
いっぽう、かつての軍事政権下には、反政府グループによる抗議集会が頻繁に開かれた場所でもある。
[モネダ宮殿/Palacio de la Moneda]
もともとは国の造幣局として建設され、19世紀後半から大統領府として使われるようになった宮殿。サンチアゴ市街、憲法広場と自由広場の間に建つ。
1970年のアウグスト・ピノチェトら軍部によるクーデターの際、当時の大統領サルバドール・アジェンデは、この宮殿に閉じこもって最期を遂げた。激しい空爆で宮殿が炎上する中、彼は「アジェンデは降伏しない」と叫び、自らこめかみを打ち抜いたと言われる(他殺説もある)。