国名
仏領ポリネシア (French Polynesia)
ことば
タヒチ語、フランス語
・解説
紀元前に、東南アジアから来航した人々が定住し、ポリネシア文化が栄える。17世紀ごろからヨーロッパ人との接触がはじまり、18世紀からはイギリス、そして19世紀からはフランスの支配下に入った。1957年、それまでの「仏領オセアニア」が改名して「仏領ポリネシア」となった。
フランスからの独立を訴える声が根強いいっぽう、フランスの援助金なしには立ち行かない依存経済も大きな問題となっている。1966年から、タヒチ近海のムルロア環礁がフランスの核実験場となってきたが、1995年、シラク大統領が実験を再開、世界的な非難を浴びた。
[ポワソン・クル/Poisson Cru]
マグロなど新鮮な魚の刺身と生野菜をココナッツミルクとレモン汁であえたもの。マーケットやルロットとよばれる屋台、レストランなど、どこでもサラダ感覚で食べられて、とっても美味。こってり味の料理に飽きたころにうれしい一品だ。屋台なら1皿800CFPくらい。
[マヒマヒ/Mahi Mahi]
別名ドルフィン・フィッシュという名の巨大な白身魚。たいていはムニエルに調理されたものが出されるが、これにタルタルソースをたっぷりかけて食べるのがおすすめ。日本ではお目にかかれないこの魚。一度は食べてみよう。
[チャオメン/Chao Men]
タヒチでは中華系が人口の約10分の1を占めており、中華料理はすっかりタヒチアンの生活に根づいている。なかでも代表的なのがこのチャオメン(炒麺)。タヒチ風あんかけソバといったところか。野菜、肉、麺の三者そろってボリュームたっぷり。
なんでもかんでも高いタヒチにあって、かろうじて1000円以内で食べられるメニューのひとつ。
[パレオ/Pareo]
やっぱり1枚は購入して帰りたい一品。カラフルな布をくるっと身体に巻きつけて、船内生活でも役に立つことまちがいなし。街の店先には色とりどりのパレオが風にゆれている。そのなかから1枚を選び出すのは至難の技かも。
[黒真珠]
日本の真珠王、御木本さんの指導によってはじまったタヒチ真珠。値段はピンキリだが、あの不思議な黒い輝きは女性なら一度は憧れるもの。一口に黒真珠といっても、微妙な色、大きさもさまざまで、ガラスケースを眺めるだけでも楽しめるだろう。
[モノイ・オイル/Monoi]
非核とフランスからの独立をめざしている活動しているタヒチのNGO、ヒティ・タウ(HITI TAU)のメンバーが、フランス政府に頼らずに、経済的に自立するためにつくっているココナッツオイル。ジャスミン、またはティアレ (タヒチの代表的な白い花) のいい香りがする。すべて手作りだ。
[ヒナノビール]
タヒチでビールといえば、なんといってもヒナノビール。瓶と缶があるが、いずれも真っ赤なハイビスカスの花を髪に挿した女性の絵が書いてあるラベルが目印だ。また、「ヒナノビールグッズ」も充実していて、グラスやコースターはもちろんTシャツなんかもあるので、こちらもお土産にぴったり。
ちなみに「ヒナノ」はもともと花の名前だったものが、現在はタヒチで一般的な女性の名前になっている。また、波がリーフに当たって砕ける様を、この花の姿にたとえて「ヒナノ」と呼ぶことがあるとか。
[マルシェ/Marche]
港のほど近くに経つ、高さ26メートルの巨大な門。インドがまだ英国の植民地支配下にあった1911年、英国王のジョージ5世とその王妃の訪問を記念してつくられた。いまもムンバイの町の象徴的存在になっている。
このすぐそばに建つ高級ホテル、タージマハルホテルでお茶を飲むというのも観光客に人気のコース。
[マラエ/Marae]
マラエとはタヒチの先住民族マオヒの宗教遺跡。緑豊かな森の中に石垣がひっそりと積まれている。タヒチ島では、アラフラフやアハイアテヤのマラエが有名。リゾートアイランドの片隅で先住民族の伝統を感じることのできる数少ない場所。
[寄港地担当者より]
タヒチというとおそらく「綺麗な海」「美しい花々」「色鮮やかな魚たち」といった南国のイメージそのものを持っている方が多いと思います。
もちろん、タヒチはそんなイメージを裏切ることはありません。なんといっても、港に着いて、船のすぐそばの海を覗けば、そこにもすでにたくさんの熱帯魚が皆さんを歓迎してくれるくらい。そんな、世界中の人たちに愛されてやまないこの島にも、もう一つの表情があります。
長く続くフランスによる植民地支配と、その「宗主国」によって行われた核実験、観光開発による自然破壊…。今回の訪問では、タヒチの多彩な表情を是非見つめてほしいと思います。その中で、「楽園」のもう一つの現実が見えてくるのでは?
(伊知地亮)
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