第44回ピースボート地球一周クルーズ寄港地インフォメーション
ホノルル
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ことば
公用語は英語
先住民族の人たちが話すハワイイ語もある
・解説
 西暦500年ごろから、ポリネシア系の先住民族が定住を開始。当初は何人もの族長がそれぞれ権力を持って人々を率いる群雄割拠の状態だったが、1795年にカメハメハ王がハワイイ全土を統一、初の統一王朝を築いた。
 しかし、その約15年前に、英国人ジェームズ・クックがヨーロッパ人として初めてハワイイを訪問、ヨーロッパ人の到来が盛んになり、徐々に白人とキリスト教文化の影響がハワイイを覆い始める。特に米国系白人の台頭は著しく、何人かの王がその権力を遠ざけようとしたものの、1895年には最後の女王リリオカウラニが退位、98年には正式に米国の領土とされた。
 19世紀末からは、サトウキビプランテーションの労働者として多くの日本人がハワイへ移住。現在も人口の約2割を日系人が占めているほか、白人、先住民族、フィリピン系、中国系など、さまざまな民族が共存して暮らす地となっている。また、近年は先住民族の人々によるハワイイ文化復興の動きも高まっている。

[ポイ/Poi]
 伝統的なハワイイ料理の代表格。蒸したタロイモを叩きつぶし、水を加えて粘り気が出るまでよく練ったものを発酵させてつくる(本来は他のイモなどでも同じ料理法でつくれば「ポイ」だが、一般的なのはタロイモ)。
 フレッシュなものはさっぱり、何日か置いたのは酸味が出て、ハワイイではこちらのほうが人気。それだけではあまり味がないので、いろんなおかずと組み合わせて食べてみよう。砂糖をかけるとデザートにもなる。また、スーパーなどでは「キウイ味」「バナナ味」といったポイも売られているが、味のほうはちょっと微妙。

[ポキ/Poke]
 ハワイイ風の「お刺身」。タコやマグロと海草、タマネギ、ネギなどを、塩やごま油、唐辛子やラー油などで和えて食べる。お酒のおつまみにもぴったりなほか、ポイに添えて食べてもおいしい。
 このほか人気のハワイイ料理としては、豚肉やチキン、シーフードをタロイモの葉に包んで蒸し焼きにした「ラウラウ」、生のサーモンをトマトやタマネギと和えた「ロミロミ・サーモン」などがある。ショッピングセンターのフードコートなどで手頃なセットが食べられることが多い。

[ロコモコ/Loco Moco]
 白いご飯の上に、薄いハンバーグと目玉焼きを乗せ、グレービーソースをかけた「ロコモコ丼」。最近日本でも食べさせるお店が登場しているが、どうせなら「本場の味」にトライしよう。「ロコ」はハワイイの「地元」、「モコ」は混ぜるという意味なので、よーく混ぜて食べるのがおすすめ。

[コナコーヒー/KONA Coffee]
 定番ハワイイ土産のひとつ、コナコーヒー。1980年代後半にブラジルから伝えられたコナコーヒーの原種を日系移民が中心になって本格的に栽培を始めたのだとか。
 ただし、その生産量は世界のコーヒー生産量の1パーセントに満たない。ということで、100パーセント純粋のコナコーヒーはかなり高価。街のおみやげ屋で売られているのは、コナコーヒー10パーセント程度のブレンドものがほとんどだ。
 ちなみに、ミディアムロースト前後がさわやかな酸味とコクをバランスよくひきたててくれるそう。また、コーヒー豆をチョコレートでコーティングしたお菓子もあって、こちらも香ばしくておいしい。

[アロハシャツ/Aloha Shirt]
 ハワイイといえばアロハシャツ?でも、実はハワイイの人がシャツを着るようになったのは19世紀、宣教師と移民の一団が渡ってきてからだという。最初はプランテーションの作業着として作られたシャツ(日本人移民が持っていた着物の和風柄の影響を受けているという説も…)が、のちに豪華客船の時代とともに、ハワイイの植物や果物などをモチーフにした人気のお土産「アロハシャツ」として人気を集めるように。
 ちなみにハワイイの会社には「アロハフライデー」という習慣のあるところが。これは日本でも一時期注目を集めた「カジュアルフライデー」のハワイイ版ともいうべきもの。金曜日、オフィス勤めの人も男性はアロハ、女性はムームーでおしゃれして出社するのだとか。ぜひお気に入りの1枚を見つけてみよう。

[ハワイイアンキルト/Hawaiian Quilt]
 ハワイイの花や果物など、自然風景をモチーフにしたハワイイアンキルト。小さな布を縫い合わせて作る「パッチワークキルト」とは違い、1枚の布を折り畳んでモチーフの形を切り抜き、それを別の布の上にアップリケしてキルティングにしたもの。
 木陰に干していた白いシーツに木の影が映ったのにヒントを得て考え出されたといい、あったかな風合いが魅力。常夏のハワイイでは暖をとるキルトは不要ということで、壁掛け用タペストリーとして広まったものだという。

[ダイヤモンドヘッド/Diamond Head]
 ワイキキのみならずハワイイのシンボル的存在でもあるダイヤモンドヘッド。州立公園にもなっている死火山で、町のどこにいてもその姿を眺めることができる。
 ハイキングを楽しめるトレイルもあり、途中には、第二次大戦中につくられたという防空壕なども。標高約232メートルの頂上から見渡すワイキキは、青い海に映えてとても美しい。

[パールハーバー/Pearl Harbor]
 ワイキキから車で20分ほどのところにある真珠湾は、1941年、日本軍の「急襲」によって、日米の戦争の発端となった地としてあまりにも有名な場所。
 そのときの戦いで沈んだ戦艦アリゾナ号は今もその姿を海底にさらし、「記念館」が併設された1962年以降も、ときおり重油を海面へと浮き上がらせている。そして現在もパールハーバーには海軍基地がおかれ、オアフ島の面積の約4分の1は米軍基地が占めているという。
 この「歴史的」ポイントで、60年前のできごとを振り返るとともに、この島とアメリカ合衆国の「今」についても考えてみたい。
[寄港地担当者より]
「どうしていまさらハワイ?」――正直言ってそう思った、という方はけっこう多いんじゃないでしょうか。観光客でいっぱいのワイキキのビーチ、日本語も通じるお土産屋さん、流れる「ハワイアン」な音楽…たしかにそれだけを見ていれば、最後の寄港地でもあるだけに、「いまさら」という気分になってしまうかも。
 でも、果たしてほんとうにそうでしょうか?ハワイでなく「ハワイイ」とは、先住民族の人々の言葉に近い表記。彼らが豊かな文化を育ててきたハワイイの地には、私たちがまだまだ知らない、いろんな表情があります。知らず知らずのうちに持っている先入観、思い込み――そんなものから自由になって、ほんとうの「ハワイイ」と出会う。そんな、今回の訪問にしたいと思います。
(井上誠)

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