▼カイロの裏町散策▼
 エジプトで「ピラミッドを見に行かない」人たちが集まったこのコース。「エジプト経験者」ばかりかと思いきや、なんと初めてという人たちが半分以上。しかし、ピラミッドにも劣らない「エジプト体験」がここではできた。その一部をレポート。
 ポートサイドからカイロまでバスに揺られて3時間弱、まずは11世紀に建てられたハッキムモスクに到着。さっそく靴を脱いでモスクの中へ。この日の気温は38度。にもかかわらず、石造りのモスクの中はひんやりと涼しい。礼拝を行うその場でメッカの方向を向きな がら、イスラム教の教えについて説明を受けた。
 ナイル川にてファルーカ(帆掛け舟)クルーズ。エンジンのついていないこの舟、動力は風のみ。どこに向かうか、どこに着くかは船頭さんの風読み次第。そよぐ風とゆったり流れる景色が心地よく、乗客からは「このまま次のキプロス島まで行っちゃおうか!」との声も…。
 本日のメインは、なんといっても「ハン・ハリーリ市場」。香辛料、香水、土産物など様々な商店がひしめき合う中、地元の買い物客と観光客でごった返している。カフェでお茶したり地元の人とお話ししたり、ほんの短い時間だったけれど、街の雰囲気を満喫した。
 夕食後はちょっとしたハプニングが。一緒にツアーに参加していた水先案内人の古今亭菊千代さんが、ここカイロでお別れなのだ。
 船上で、菊千代師匠に「弟子入り」した参加者たちが用意していた寄せ書きを、この場を借りて師匠に贈呈した。このツアーの参加者 は、カイロの人情とトパーズ号で生まれた人情、その両方を味わえたのでは?
(野中雪絵)
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