船内ニュース
7月13日 パレスチナの日本人
/後藤和夫(TVディレクター)、伊知地亮(ピースボートスタッフ)
 水先案内人・後藤和夫さんによるパレスチナ関連の最終講座は「パレスチナで活動する日本NGO」。パレスチナ難民キャンプで主に子どもや女性の医療的・精神的ケアをしている日本人女性をとりあげた映像を見たあと、ピースボートスタッフ・伊知地亮を加えて、彼の実体験とともにお話していただいた。
伊知地
 「以前はパレスチナにも寄港していたんです。が、2000年の第二次インティファーダ後、入港できなくなってしまってます。けれども、できるだけ多くの日本人にパレスチナの現状を見てもらいたいし、その逆に、今回ISとして乗船しているパレスチナのラマ、イスラエルのダナのように、双方の人たちに世界を見てもらいたい、そう思うんです。」

後藤
 「イスラエル・パレスチナ双方の若者が対話を通して理解を深めていくためには、たとえば誰かがピースボートのような『架け橋』となることが大切です。また、このような場を活かして『マス』メディアではない、『市民による』メディアを今後つくっていければいいと考えています。」
(木原まなみ)
7月13日 なぜ彼女は逃げなかったのか?/岡真理(京都大学教員)
 岡真理さんの第2回講座。パレスチナ人はこの半世紀にわたって繰り返し何千人も殺され続けてきた。私たちはそれらの報道に無関心になっていないか。今、占領下のパレスチナでなにが起こっているのか、具体例を挙げて話された。
 また、アメリカ女性のレイチェル・コリーさんは、パレスチナ人の家屋を破壊しようとするイスラエルの軍事ブルドーザーを阻止しようとしてひき殺された。彼女はなぜ逃げなかったのか。そのときの彼女の気持ちを皆で考える講座になった。
 「パレスチナ人は、『難民』というひとかたまりで処理されているのではないでしょうか。死者の報道も、名前などの固有名がなく人数のみ。人間としてのパレスチナ人を思い描いていないのです。
  現実に殺される前に、パレスチナ人は私たちの想像力のなかで殺されています。そんな私たちの無関心さが、実は殺人に加担しているともいえるのでないでしょうか」。
(横江淳)
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