船内ニュース
8月16日 闘う平和コスタリカ/伊藤千尋(朝日新聞記者)
 伊藤さんいわく、コスタリカは「平和憲法を自分たちで生み出し平和を世界へ輸出している国」。その憲法が平和とどのように結びついているか、特派員として中南米を取材した経験を持つ伊藤千尋さんに、とにかく熱く語っていただきました。
 「戦争があいついでいた80年代の中南米において、1983年に積極的非武装中立宣言を行い、『自分の国が平和であるためには隣国が平和でなければならない』と、大統領が自ら内戦中の国々に対し、「平和と戦争どっちがいいのか」と訴え、中南米の内戦を終わらせてきました。これが、平和を輸出してきたということです。国内では、1949年に発布した憲法にもとづいて軍事費を教育費に回し『兵士の数だけ教師を作り、銃を捨てて本を持とう』というスローガンをたて、さらに実行に移してきました。子どもたちには授業で、家族や友だちとの身近な争いをどうやって解決していくかということをこれでもかこれでもかというほど実践しています。そのことによって、憲法の行使方法を身につけているのです。
 『平和』とは人類の理想です。ドイツの哲学者カントは「永久に世界が平和であるための4つの条件」として、
1.常備軍の廃止
2.侵略戦争の放棄
3.共和制国家
4.国際的な調停機関の設置
をあげました。この条件を世界で最初に満たした国が『コスタリカ』なのです。」
(高橋典靖)
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