8月9日 NAGASAKI DAY
長崎に原爆が落とされてから、今日で58年目。原爆による犠牲者、そしてほかのすべての戦争の犠牲者を追悼し、このような悲劇を2度と繰り返さないという決意を表明するコンサート式典「ナガサキ・デイ」がおこなわれた。これは、ニューヨークのNGOとピースボートが協力しておこなわれたものだ。
式典が開かれたのは、ステンドグラスや彫刻が素晴らしい、リバーサイド教会。この教会は1960年代にマーティン・ルーサー・キング牧師が演説をするなど、ニューヨークにおける人権運動にとって重要な意味を持つ場所でもある。
40年前のキング牧師同様、平和への願いをこめてピースボート側とニューヨーク側の両方から、スピーチと歌やダンスなどのパフォーマンスが披露された。
ピースボート側からのアピールの1つがこの「ピースキルト」。船内で集めた300枚以上の様々な柄の布きれを使い、2メートル×5メートル四方の、大きな「PEACE」をつくりあげた。
「一枚ではただの小さな布きれだけど、それらをつなげることで、暖かく大きな『PEACE』ができました。私たちも、違う個性の人たちと一緒に暮らしていく。そうすることで、大きなPEACEをつくっていきたいと思います」という発案者のアピールに、会場からは大きな拍手が。
ニューヨーク側からのパフォーマンスのひとつは、やはり音楽とダンス。踊ってくれたのはNGO「ARC」に所属している13歳から19歳の若者だ。
1人1人がマイクを順番にまわしながら、それぞれの思いを軽やかなラップミュージックにのせて歌っていく。「思ったことや感じたことは口に出そう、そんなアクションが大事、という彼らのメッセージが、軽快な音楽に乗って響き渡った。
ピースボート側からの最後のパフォーマンスは沖縄の伝統舞踊「エイサー」とソーラン節をアレンジした「南中ソーラン」。はっぴ姿で会場全体を動きまわる様子を見て、参加者たちも立ち上がって踊り出すほど。その中には水先案内人・天野文子さんの姿もあった。
対して、ニューヨーク側からの最後のアピールは「BYE BYE WAR」という歌。自然と隣の人と手をつなぎ、国境や世代を越えて参加 者が大きな輪になって口ずさむ様子は、この式典にこめられたみんなの願いを象徴しているようだった。
(木原まなみ、中村充利)
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