船内ニュース
8月3日 国連とアメリカ〜国連は世界をリードできるのか?〜
/フィリス・ベニス(ジャーナリスト)
 今年3月、米国の主導によって始まったイラク戦争。あの時は「国連」の役割というものが議論の的になった。いったい「国連」と「アメリカ」はどんな関係にあるのか――それを、ジャーナリストのフィリス・ベニスさんにお話し頂いた。
 「国連の歴史は、権力と民主主義のせめぎ合いの歴史です。国連は総会中心の民主主義的な体制から安全保障理事会、つまり米国中心の単独主義へと変化してきました。そして冷戦後、対立国が無くなった米国は、自分が超大国であることを示すため『外交政策の道具』として国連を利用してきました。
 しかし今年のイラク戦争の際、国連は8ヵ月半もの間、米国に対して武力攻撃に抵抗する姿勢を取り続けています。そもそも国連とは戦争に対して『NO』と言うためにある機関です。今こそ国連は、民主主義的な体制を取り戻す必要があるのです。」
(高橋典靖)
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