1月30日 テレビを疑え/後藤和夫(テレビディレクター)
水先案内人・後藤和夫さんの二回目の講座、そのテーマは、私たちにとって一番身近なメディアである「テレビ」。多様な情報を流しているように見えるテレビが、実はいろんなものに縛られている、意外に不自由なメディアだという話だ。ここでは、後藤さんがそんなテレビ業界や番組に怒りながらも、なおテレビの持つ可能性について語った部分を紹介する。
「テレビは、一見自由な情報を流しているようにも見えますが、実はスポンサー・視聴率・放送法、電波法といった法律によって縛ら れた、不自由なメディアです。また、テレビ事業は総務省の免許制であるがために、『政府の目を意識したつくり』にならざるを得ない状況にあるのです。
しかし僕は、故萩元晴彦さん(元テレビマンユニオン会長)が言っていた、『テレビは何もできない、できるのは人間だけだ』という言葉が好きです。テレビは確かに不自由なメディアです。だけど、一度にたくさんの人に見てもらえる数少ないメディアでもあります。そして、作っているのは僕たち人間。心を込めて、きちんと伝えようとすれば、受け取ってくれる相手はいます。大変だけれど、闘いがいのある現場です。」
(河地涼子)
進化の楽園の魅力〜「ガラパゴス」がなくなる日〜/藤原幸一(海洋写真家)
東太平洋に浮かぶ孤島「ガラパゴス」。島によって変化する生物種の存在を知ったダーウィンが、進化論を考えついたきっかけとなったところだ。今回は、写真家・藤原さん自身が撮影された、かわいく珍しい動物たちのスライドを見ながら、動物たちの楽園「ガラパゴス」から見える環境問題について語っていただいた。
「貧しい国エクアドルにとって、多くの観光客が訪れるガラパゴス諸島は、主な収入源となっています。その為、大陸から、もともと島には存在しない人・家畜・植物や昆虫が入り込み、ガラパゴスの生態系に多大な悪影響を与えています。その他、地球環境の変化が原因で規模が拡大したエルニーニョ現象の影響を多く受けています。
みなさんがガラパゴスに行けば、ゾウガメやイグアナなどたくさんの生き物に出会えるますし、動物たちは人を恐れず島は一見穏やかです。しかし、そんなガラパゴスが多くの問題を抱えていることを今日のスライドと話で知っておいていただきたいのです。」
(小林祥子)
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