船内ニュース
1月28日 零下15℃平壌からの報告/後藤和夫(テレビディレクター)
 ピースボートではもうおなじみの水先案内人・後藤和夫さんが、アルゼンチン・ブエノスアイレスより乗船。各国情勢の報道から紀行番組までを扱う幅広いキャパシティの中から、今回あつかったテーマは「北朝鮮最新映像」。
  乗船直前の1月14日から5日間、北朝鮮を訪れ取材したという後藤さん。まずは、ご自身で撮影されたものを放送した2つの番組をビデオで紹介。北朝鮮の人々の様子や、「テレビ」というメディアの危険性にも言及した。ここでは、北朝鮮報道に見られる、日本の報道姿勢についての指摘を紹介する。
 「日本では今、北朝鮮=悪という、一元的で感情的な報道がなされています。確かに、拉致は国家的犯罪ですが、本来報道とは、冷静で客観的であるべきもの。それなのに「日本は北朝鮮の被害者だ」という国民感情にマスメディアが呑み込まれ、中立であるはずの報道が、北朝鮮のあら探し報道に終始しています。そのことに報道関係者自身さえも気付くことが出来ず、『北朝鮮は悪だ』というすり込みが自然になされているという怖さに気づいてください。
  今、北朝鮮を取材することはただでさえ難しく、分からないことばかりです。だからこそ知ることを大切にしなければいけないのに、日本は事実でなく感情に沿った報道をして、自ら相互理解の道から遠ざかろうとしているのです」
(河地涼子)
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