船内ニュース
1月19日 もう一つの世界は可能だ/福島康真(南アNGO・AIDCスタッフ)
 水先案内人・福島康真さんが取り組んでいる「債務帳消し運動」。福島産は、これを「アフリカ貧困問題を解決するひとつの手段」という。それはいったいどんな活動なのか、そして何故福島さん自身がこの運動に関わるようになったのかを語った。
 「今は、先進国が途上国に貸し付け、途上国はそれを返すために国内の予算を削らざるを得ない。それでは、貧困がなくなるはずがなく、かえって国の借金は増えるばかりです。
  しかし本来、彼らが返す必要のない債務があります。ひとつは『不正な債務』。例えば、南アに対し、アパルトヘイト時代に国連で決議された経済制裁に違反しておこなわれた融資による債務、いわゆる『アパルトヘイト債務』です。もう一つは、世界銀行(IMF)からの融資が膨らんでできた返済不可能な債務。この融資の際には、緊縮財政、通貨切り下げ、国営企業の民営化などが条件とされています。
  しかし、融資される側がこの条件をクリアすることで、国内の貧困はより拡大し、富めるものは富み、貧しいものはもっと貧しくなるという状況を生み出しているのです。これらが明らかになったとき、私は『第三世界の全ての債務の即時、無条件帳消し』『不正な債務の無条件即時帳消し』を求める債務帳消し運動に関わってゆくようになったのです。」
(藤森美里)
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