船内ニュース
1月6日 虹の国をめざして〜僕が写真を撮りつづける理由〜
/ビクター・マトム(フォト・ジャーナリスト)
 「カメラは自分の武器」と、平等な社会を得ようと活動されているフォトジャーナリスト、ビクター・マトムさんの講座第2弾。アパルトヘイトが終わってもうすぐ10年。けれど、今なおシャッターを切り続けるのは何故なのか、写真を通して何を伝えたいのか、という話を中心にうかがった。
 「アパルトヘイト撤廃後も、旧黒人居住区の子どもたちにカメラを教えてきました。その子たちをプロの写真家にするためではありません。写真を撮るためには、被写体、角度、距離、シャッターをきるタイミングなどすべてを、自分で決めなければなりません。私は、この、カメラ教室のなかで自分で決定判断する大切さを知り、自分自身の手で未来を作っていく自覚を持って欲しいのです。アパルトヘイト体制のもとで黒人に植え付けられた、白人への依存心、そして白人に対する劣等感を払拭しなければ、本当の自由を得ることができないからです。」
(藤森美里)
エイズの世紀〜アフリカから世界へ〜/林達雄(AJF「アフリカ日本協議会」代表)
 2回目となる水先案内人・林達雄さんの講座では、ゲストとして、同じく水先案内人のビクター・マトムさんと、津山直子さんのお二人を招き、アフリカから見る「世界的なエイズ問題」について話を聞くものになった。
林達雄:「HIV/AIDSは、世界的に大きな問題になっています。これほどまでに爆発的に拡大した感染症はないからです。この状況は『世界は第三次世界大戦に突入している』と語られる程です。そんな中で、HIV/AIDSの現状を理解するには、病気の人―当事者ーの話を聴くのがいちばんです。そのためには、当事者が声をあげやすいような社会を作っていくことも必要です。この厳しい現状の中で、世界各地で当事者が声をあげている中、日本は何をしたらいいのか、という問いに『日本を変えてくれ。日本にいる1億2千万人が変われば、アフリカが変わり、世界が変わるのだ。』と答えた当事者の人がいました。私たちは、彼らの声を聞き、行動しなくてはいけないのではないでしょうか」
ビクター・マトム:「直接、当事者に話を聞くことが大切。そして、何よりも教育が大切です。それは性教育でもあり、当事者が何を望んでいるのかがわかるようになるための教育でもあります。」
津山直子:「HIVポジティブの人が、『ポジティブな生き方』ができるようにする必要があります。そのキーを握っているのは、私たち。人々の声が後押しして、世界を変えるのです。」
(田村和美)
80%削減大成功〜ムナがムダをなくす〜
/マデュカ・ラカーニ(環境NGO「アースライフ・アフリカ」スタッフ)
 『環境問題を防ぐには何をしていけばいいか』ということを、昨年の8月にヨハネスブルグ市で行われたWSSD(世界持続可能な開発に関する世界サミット)でゴミの80%を削減することに成功した『ゴミゼロ』という考え方を通してお話して頂いた。
 「私たちが推奨するゴミゼロ運動という考え方は、私たちが使用したものをゴミとして捨ててしまうのではなく、使った商品を生産段階の一番最初に持ってきて、生産のサイクルの中に組み入れるようにして何度も何度も使っていくというサイクルを推奨するというところにあります。また、再利用できない商品は使わないようにしていく、商品の包装も再利用できるものにするというようなこともそうです。」
(中村真美)
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