船内ニュース
2月10日 歌が人を動かした!〜ビクトル・ハラの人生とその作品〜
/アルトゥーロ・クラーク(ビクトル・ハラ財団スタッフ)
 チリからの水先案内人、アルトゥーロ・クラークさんが、チリに大きな影響を与えた人として紹介したのは「ビクトル・ハラ」。1932年に生まれ、演劇・作詞・舞台演出・歌手など、多彩な才能を発揮した彼は、アジェンデ政権がピノチェトの軍事クーデターに敗れた1973年、アジェンデに協力した人間として軍に殺された。そんな彼の人生と、大衆に支持された彼の魅力を語ってくれた。
 「貧しい家庭の出身だったビクトルは、歌の仕事をするかたわら、農民とともに鍬を持ち、歌には貧困や社会の不公正についてのメッセージをこめて歌いました。殺される直前に彼が収容されたスタジアムでビクトルがつくった歌を、何とか外の世界に伝えようと多くの人が歌詞を書き写したことからも、彼の存在の大きさが分かります。私達は彼の功績を後世に伝えるとともに、若い才能の支援も積極的に行ない、チリの芸術文化が民衆の手で育っていく手助けをしたいと思っています」
(河地涼子)
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