2月9日 「軍隊を捨てた国」〜41回クルーズはコスタリカに〜
/星野弥生(ベンポスタ共和国駐日大使)
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バルパライソで下船される、水先案内人・星野弥生さん。最後の講座は、次の41回クルーズで寄港する国、コスタリカについて。ドキュメンタリー映画「軍隊を捨てた国・コスタリカ」でその国に関わるようになったという星野さんによると「平和憲法」を持つ国は世界でたった2つ。それが、日本とコスタリカだという。平和をつくるための政策、そして豊かな自然を、スライドを交えつつお話して
いただいた。 |
「コスタリカは、紛争が絶えない中南米のまっただ中にある、小さな貧しい国。だからこそ、国民の血を一滴も流さないためにも、軍隊にお金を使っている場合ではないのです。軍隊を廃止し、その分にかかる費用を、教育や医療・自然保護にかけ、また、紛争の火消しをするために、他国に『平和』を輸出しているのです。
日本も、アジアの中で同じような役割を担っていけるとよいと思います。平和は生まれるものではなく、つくるものです。それには時間もかかるし、実現不可能と思うかもしれません。しかし、きっとあなたにもできることがある――私は、平和のシンボル・コスタリカから、こんなメッセージを受け取りました」。
(小林祥子)
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溶け合う心の絵の具/後藤和夫(テレビディレクター)
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硬派のドキュメンタリーを制作することが多いテレビディレクターの後藤和夫さん。そんな後藤さんの異色作「溶け合う心の絵の具」は、脳性麻痺の少年画家を追った人間ドキュメンタリー。番組を素直に感じて欲しい、と参加者達に観せた後、ナレーションの功罪について語ってくれた。 |
「僕は、人間ドキュメンタリーの究極は、ノンナレーション(ナレーションを一切入れないこと)だと思っています。しかし最近の番組は、視聴者を惹きつけておくために、ナレーションをはじめテロップ、音楽などを過剰に入れる傾向にあります。それが観る側の映像をそのまま感じる能力を減退させてしまっています。このままでは私たちは、説明が入らないと映像そのものがもつメッセージを理解できなくなってしまうのではないでしょうか」 (河地涼子)
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