船内ニュース
12月28日 私達にせまる危険〜遺伝子組み替えと特許〜
/ロッド・ハーベン(ジャーナリスト)
 環境問題の専門家、ロッド・ハーベンさんによる2回目の講座。今回のテーマは、人体に悪影響を与えるともいわれている「遺伝子組み替え食物」だ。ここでは、それらがなぜ危険とされるのか、それでもなぜ遺伝子組み替え食品が急増しているのか、という話をうかがった。
 「本来、『発明』に与えられていた特許が、発明ではなく『発見』に与えられるようになった今、米国の企業による『遺伝子の発見争奪戦』が繰り広げられています。米国政府は国益を、米国企業は利益を優先し、その結果として遺伝子組み替え食品が普及していっています。私たちの食生活にも、知らないうちに遺伝子組み替え食品が拡がっているのです。そして、いちばん問題なのは、一度世に出てしまった組み替え遺伝子は自然種との交配によって広がる一方になり、元の、遺伝子組み替えがなかった状態に戻すことが不可能な点なのです」
(藤森美里)
平和への道〜私たちが考えること〜
/モニカ・ムシェル(医師)・カンジェスク(ソウル平和市民連帯)
カート・スゥエンソン(語学教師)・大沢則夫(鍼灸師)・佐々木彩(ピースボートスタッフ)
 今回のモニカ・ムシェルさんの講座はパネルディスカッション。モニカさんの他、水先案内人の大沢則夫さん・カンジェスクさん、語学教師のカート・スゥエンソン、CC(通訳)の佐々木彩が登場した。
  ディスカッションは、『どのようにして平和を実現したらいいのか、テロや戦争をどのように防いだらいいのか』について、それぞれが発言するところから始まった。今回は、ひととおり意見を述べたところでの時間切れとなったが、最後は、これから参加者を交えて考えを深めていこうと締めくくられた。
モニカ・ムシェルさん
「平和に向けての対話、敵対しているもの同士が自分たち自身で問題への解決策への対話を持つことが大切だと考えています。特に報復というものが、報復の悪循環が起こらないようにしなければならないと考えています。」
大沢則夫さん
「平和への道というものを考えるならば、まず自分の体を健康にしていく、家族の体を健康にしていくことが大事だと気づきました。いろいろな運動もしていかなければならないでしょうけれど、まず、自分の体が健康でなければ何もできないわけです。ひとつひとつの中から、原点として自分の体の健康に注目して動いているのが今の現状です。」
カート・スウェンソンさん
「まず、被害者のことを考えるということ。そして、被害者も他の被害者のことを考えるということが大切です。みんなでそういう風に考えていけば、誰も加害者になりたいとは思わないでしょう。」
佐々木彩さん
「一粒の砂が世界を動かすという言葉があります。小さな一粒の砂が隣の砂にあたり、またそれが隣の砂にあたる。どんどん隣にあたることによって海流を変えたり、果てはその海流が山を削ったり、気候を変え、世界を変え、それが結果的に宇宙まで変えてしまうというものです。この言葉は個人と個人のつながりにもいえると思います。個人と個人との関わり合いにより、その相互作用が世界を変えていくと思います。」
カンジェスクさん
「平和を見るときの視点で大事なのは、一番弱い人の立場に立つことです。マイノリティ、障害者、女性の立場を大事にしていかなければいけません。また、私と社会のバランスを取ることが大事です。社会の問題と自分の問題は別物ではなく、お互いにバランスをとることが大事です。そして、人間だけの平和ではいけません。自然も大切にしなければいけません。平和の反対は戦争だけではありません。家庭内暴力も、また、自分の身の周りにある様々な暴力がある限り平和ではないのです。」
(中村真美)
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