船内ニュース
9月22日 あなたにとって愛国心とは?/後藤和夫(ジャーナリスト)
 水先案内人・後藤和夫さんの企画。今回のテーマは『あなたにとって愛国心とは?』。後藤さんによると『愛国心』という言葉は「戦後の軍国主義を思い起こさせるとしてTVでもタブーとされてきた」という。
  しかし、2002年6月におこなわれたサッカーW杯では、多くの日本人が日の丸の旗を振り、「愛国心」という言葉が使われた。「これが、ひとりひとりが『愛国心』について考える良い機会になれば」という後藤さんの問いかけに対し、「そもそも、愛国心とは何なのか」「愛国心はいけないことなのか」ということについて、たくさんの参加者が意見を交わす討論会となった。
  その中で数多くの意見が出されたが、参加者からの意見はおおむね「愛国心」を批判する声が多かった。ここでは、後藤さんからの最後のコメントを紹介する。
「簡単に国という単位を捨て、個々に接すればいいというものではありません。世界中の人と素直に話しあえば平和になるというのは理想で、そう簡単にはいかないのです。『国』というつながりを捨てても、今度はまたその内部で争いが起きるでしょう。『戦争をする』よりも『争いをなくす』ことの方が難しいのが今の現状。しかし、少なくとも私たちは『国』と無縁ではいられません。私たちは常に『愛国』とは何か、『国』とは何か、ということを考え続けていくことが大切なのではないでしょうか。」
(関口裕美)
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