船内ニュース
9月9日 日本のお父さんに会いたい/カルメリータ・ヌキ(DAWN代表)
 「夜明け」を意味する「DAWN(Development Action for Women Network)」は、日本人の父親とフィリピン人の母親との間に生まれた「日比混血児」と、同時にその母親に、経済的そして精神的な支援をしているNGO。マニラから乗船された、DAWN代表のカルメリータ・ヌキさんによる講座『日本のお父さんに会いたい〜日比混血児〜』では、子どもたちがDAWN主宰の劇団員として来日したときのドキュメンタリーを交えながら、日比混血児が生まれた背景と、NGO・DAWNの取り組みについて語ってくださった。
 「フィリピン政府は、日比混血児の問題を、あくまで『個人的な事情であり、個人的な問題だ』という姿勢をとっており、何の対応もしていません。しかし、国内での失業者が多いフィリピンの現状を見る限り、女性が海外で労働することを止めることはできません。こうして、10万人以上ともいわれる日比混血児の問題については、誰も触れないままになっているのです。
  また、日本政府もフィリピンに対してODAでの援助を多数おこなっていますが、そのお金は道路などインフラ設備などには使われていても、そういった『人』の問題については有効に活用されていません。日本の企業だけにお金が流れ、そしてインフラ設備の工事などで、もともとそこに住んでいる住民が立ち退かなければならなくなる、という問題も起こっているのです。私たちは、日本とフィリピン、両国政府に問題解決のための措置をとるように仕向けていく必要があります」
(宮崎祐)
ISと友達になろう
 ピースボートが世界各地から招待している国際学生(通称IS)。今回は、7つの紛争地から8人の若きジャーナリストが集まった。国はそれぞれ、紛争まっただ中であったりという深刻な状況だが、彼ら自身はとても明るく、開放的。そんな彼らをもっと知りたいと、会場には多くの人が集まった。IS同士での紹介やサルサレッスン、彼らの国紹介などの盛りだくさんの企画。ジョークを飛ばしながら話す姿から今まで何となく遠い存在だった彼らに親しみを感じた人も多いはず。ここでは、IS全員の名前と出身地、そして会場から出た質問をいくつかご紹介。

*サプタリシ・バタチャジー (インド出身、27歳男性)
*ザイナブ・シャー (パキスタン出身、27歳女性)
*ワリッド・ナサール (パレスチナ出身、22歳男性)
*ウリ・ブラウ (イスラエル出身、24歳男性)
*ドゥーシャン・サポーナ (セルビア出身、26歳男性)
*ドゥーシャン・カビチ (セルビア出身、27歳男性)
*ヤスミナ・ハッジカリッチ (ボスニア出身、24歳女性)
*ピラール・チャベス (コロンビア出身、26歳女性)
Q:日本に来て驚いたことはありますか?
A(ザイナブさん):「日本人は人前でダンスをしたり、お酒を飲んだりしますよね。パキスタンでは、そういうことは家の中で行います。」

Q:イスラエルとパレスチナは、今まさに緊張状態が続いていますよね。そんな中、ウリさんとワリッドさんは、最初からわだかまりなく話すことはできましたか?
A(ウリさん):「多くのイスラエルの市民も、シャロン首相のやり方を嫌っています。僕もそうです。だから問題は無かったですよ。」

Q:日本の若い人を見て、どう思われましたか?
A(ヤスミナさん):「みんな明るくて、よく働きますよね。それに、集合時間にきっちり集まりますよね。それはすごい事ですよ。」
(関口裕美)
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