「僕たちは、戦争の傷跡が残るいくつかの施設や町を見てきました。この状況は、エリトリアの国民一人一人にとってはまちがいなく『現実』でした。
植民地支配によって勝手に境界を定められ、エチオピアの圧制に苦し められ、仲介する国際機関もなく戦争を余儀なくされたエリトリアの人々に『戦争は良くない』とだけいうことは出来ないと感じてい
ます。戦争が『過去のもの』になっていないエリトリアでは、戦争が解決手段のひとつとして扱われています。
もし、エチオピアへの敵意が残っているとしたら、第三者の立場で僕たちに出来ることは、それ以外の方法を一緒に考えていくことではないでしょうか。僕は、この国で二度と戦争が起こらないで欲しいと願い、また戦争を起こしてはいけないと思っています。『戦争も仕方ない』の一言で
すませてはいけない、と思います」
(西野恵美)
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