船内ニュース
10月18日 キューバ流生き残り術
/福代孝良(日本ブラジルネットワークスタッフ)
佐藤太、遠藤ひろみ(ピースボートスタッフ)
 「極貧状態」ともいえるキューバは、どうやって先進国並みの教育や医療を手に入れたのか――ブラジル在住経験のある水先案内人・福代孝良さん、南米中を一人旅した経験を持つ、CC(通訳スタッフ)の佐藤太、ピースボートスタッフの遠藤ひろみの3名が、キューバの歴史をたどりながら語った。
 「1902年、スペインから独立したキューバ。しかし、独立戦争に介入した米国はキューバの主要産業を支配してしまいます。キューバ国民は苦しい生活が続いていました。この状態から抜け出そうと、1959年、カストロ率いる革命軍がハバナを制覇。"貧しい人々に力を与えよう"という思想のもとで新しい政権が立ち上がったのです。が、それに対して米国は厳しい経済制裁を発表しました。そこでソ連の援助を求めましたが、90年代にはソ連が崩壊してしまいます。
  しかし、キューバは共倒れにはなりませんでした。何故ならソ連に支援を受けている間、キューバは教育・医療制度を確立させていたのです。医療面では、手術や薬の代わりにハーブ・薬草を用いる予防医療の発達を目指し、教育は無料で人々に提供されました。石油がないため、病院や学校などでは、水力・ソーラーなどの自然エネルギーを使い、なるべく電気が届くように工夫していました。これが、キューバが貧しいながらも健康で楽しい日々を送れる理由なんです。」
(小林英里)
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