船内ニュース
10月18日 多民族国家を目指して
 これまで「移民」というテーマに取り組んできた地球大学。地大主催の船内企画や寄港地でのエクスポージャーツアーなどを通じて「さまざまなバックグラウンドを持つ人たちが共存していくには?」ということを考えてきた。今日はその集大成となる報告会。地球大学の参加者自身が、これまでの活動内容の報告、船内インタビューの結果などを発表した。
 「『先進国』がここまで発展したのは、移民の人たちの労働力によるところが大きいのです。
  しかし、失業率の上昇などが問題になってきた今になって、先進国の態度は変わりました。政治家が『移民の増加によって私たちの仕事が奪われている』と発言したり、失業してしまった『移民たち』への対策が考えられていなかったりと、抑圧されている状況があるのです。
  また、日本においても『単純労働ビザ』が発行されないという問題があります。それというのも、国外からやってきた『移民たち』を単純に『異質なもの』として捉えているからではないでしょうか。
  今後は、移民の人権を守る法律の整備や他国の人の文化を理解し共存していくための努力が必要です」
(宮崎祐)
福代孝良アマゾンへ行く〜森を守るなら森を使え〜
/ 福代孝良(日本ブラジルネットワークスタッフ)
 ブラジル在住経験のある、水先案内人・福代孝良さん。彼がアマゾンを訪れたときの映像を交えながら、アマゾンが抱える問題や、それを解決するためのプロジェクトについて語った。
 「アマゾン、と言うと『人のいないジャングル』といったイメージをお持ちの方も多いですが、2000万もの人が住む森です。
 開発・伐採が奨励されていた'80年代、そしてその後『熱帯雨林が地球の共有財産だ』という認識からの厳しい伐採規制。その両方とも、『森を使って生きる人々』の権利を無視したやり方です。
 環境保護のためにも、住民の権利のためにも、とめどない開発や一方的な規制ではなく、『森を使って活用していくことによって森を守ること』という考え方が必要です。現在、NGO以外にも工業会社『ポエマテック』、地域住民の協同組合『ポエマ・コープ』・国際連携団体『ボルサアマゾニア』が共同で行っている『ポエマ(アマゾン貧困撲滅環境計画)』は、NGO以外にも工業会社『ポエマテック』、地域住民による協同組合『ポエマ・コープ』・国際連携団体『ボルサアマゾニア』から成り立っており、アマゾンで採れる物の加工・販売や、人材育成などに取り組んでいます。これからは、先住民の『知的所有権』についても考えていかなければならないと思っています。」
(小松美香)
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