11月18日
ガビさんのワークショップ
NGO『ヒティ・タウ』の代表、ガブリエル・テティアラヒさん(通称ガビさん)によるワークショップ。今回は、先住民族マオヒの間で伝えられてきた「モノイオイル」・「バニラビーンズ」の使い方、またパレオの巻き方などのレクチャーがおこなわれた。ここでは、耳慣れない「モノイ・オイル」についてガビさんが語った部分をとりあげる。
「ココナッツの実とティアラの花びらから作られている『モノイオイル』を作るには2ヶ月もかかります。これはすべて女性の仕事です。女性は子供を身ごもったときにモノイオイルを作り始めます。できたオイルは生まれてきた赤ちゃんのために使われるからです。また、大人になった女性が自分を美しくするために使うものでもあります。
タヒチにおいて、モノイオイルは欠かせないものなのです。『ヒティ・タウ』では、このモノイオイルの作り方に特許を取得し、タヒチの女性たちだけが作れるようにしました。これは、『ヒティ・タウ』の収入源であるとともに、マオヒが経済的に自立してやっていくためでもあるのです。」
(西野恵美)
マオリ・ルネッサンス
ニュージーランドの先住民族・マオリ。イギリスからやってきた白人たちの支配によって、彼らの土地や文化が失われていった。水先案内人のアロハ・ケリーさんとアワヌイ・スィミチ・ペネさんは、その失われた文化を取り戻そうという活動をしている。今回は、彼女らの活動内容について、マオリの歴史をおさらいしつつ、語ってくださった 。
「18世紀からヨーロッパ人が土地を占領し始め、1960年代にはマオリの土地はニュージーランド全土の1割にも満たなくなってしまいました。土地に自分たちが所属していると考えるマオリにとって、それは『マオリ』としてのアイデンティティーも失うことだったの です。
現在、マオリの文化・アイデンティティーを取り戻そうという活動が活発になっています。『テ・コハンガ・リオ』という赤ちゃんの時からマオリ語を学ぶ学校ができ、これは成功していますし、また学校や部族単位でおこなわれている民族舞踊『カパハカ』 は、若者たちが自分に誇りを持ち、マオリとしてのアイデンティティを取り戻すためにも役立っています。
このように、マオリの文化を復興させようというルネッサンス的な動きがあり、若者たちにもその文化は浸透し、それを誇りに思うようになります。また、政治的にもマオリの地位は向上し、影響力も強くなってきています。また、海外には、たくさんの先住民族が戦っています。私たちは彼らに、今まで私たちが取り組んできたアイディアを提供しています。そうやって、先住民族どうしがつながっていくこともできるのです。」
(小松美香)
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