シンガポールの歴史を検証しようというこのツアー。現在定住している日本人は4万人、そして数多くの観光客も訪れるこの「ガーデンシティ」の歴史は、あまり知られていないのが現状だ。
『イメージ・オブ・シンガポール(シンガポール歴史民俗館)』では、シンガポールの歴史をロウ人形にて展示・説明している。特に目を引いたのが、1942年
の日本軍がイギリス軍に降伏を迫るシーンと、1945年の日本軍がイギリス軍に降伏する調印式のシーン。額のシワに至るまで細かく再現してあるので、まるで本物の人間の様に見える。なので、遠い昔と感じがちなこの真実を、現実のものとして受け止め易い。
写真は1942年、日本軍が行った華僑大虐殺の犠牲者を慰めるため、また、そのような事が二度と起らないようにと建てられた『血債の塔(日本占領時期死難人民記念碑)』。中国人・インド人・マレー人・ユーラシアンを表す4本の柱が、よりそって高くそびえている。その元に、ピースボートからの花を捧げた。案内をして頂いた、日系3世のライ・アキョウさんいわく、どんなに時がたとうとも、シンガポールの人々が受けた傷は、薄れども消えることは無いという。他にも、東南アジア最大の『日本人墓地』や、『林謀盛記念碑』などを訪れた。
このツアーを通して、今、私達に出来ることは、真実をきちんと見つめ、ひとりひとりが平和を願うことだと改めて感じた。
(関口裕美)
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